健やかないのちとくらしを未来へ・・・ 

試験焼却Tag Archives

既刊『測定室だより』第9号を公開いたします。 

『測定室だより』9号は、2012年3月30日に発行したものです

掲載記事は、
2月8日より3月5日までに測定した52検体の測定結果と、
島田市の瓦礫の試験焼却について、
松葉による飛散調査のコメントを河野益近さんの寄稿文として掲載しています。

この松葉による飛散調査の結果は、河野さんの論文として、HPでご報告しますが、
瓦礫の試験焼却から分かった事は、島田市の溶融焼却炉では、
日常的にごみ焼却によって、放射性物質が空気中に飛散している可能性が大きいという事でした。
           
現在、瓦礫の受入れは『震災現地への復興支援』として、
全国各地で進められていますが、
放射能はすでに全国に拡散していることを静岡市を例にとって試算をしています。

瓦礫受け入れは、もはや『復興支援』だという市民はいませんが、
放射能(化学物質も同様です)は拡散しないという原則を、
もう一度、確認していただく資料にしていただければうれしいです。

sokuteisitutayori9gou

『測定室だより』は最新号(現在15号)を発行後、既刊の会報を公開しています。
公開している情報は 『測定室だより』創刊号~9号までです。
何かのお役に立てば、嬉しく思います。

2012年11月19日
馬場利子記

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既刊『測定室だより』第9号を公開いたします。 静岡放射能汚染測定室

〝島田市の瓦礫の試験焼却の測定結果について”質問にお答えします。

島田市で行われた瓦礫の試験焼却に関して、
当測定室で瓦礫と残り灰の放射能測定を行った結果をHPで掲載していますが、
その内容について、
「静岡で測定した瓦礫の放射能は不検出となっていますが、
Ge測定器で測定した結果が、
Cs-134 : 6.4 (Bq/kg)、 Cs-137 : 13.1 (Bq/kg)
セシウCs-134 +Cs-137 : 19.5 (Bq/kg)でした。
静岡の測定器の検出限界がセシウム134で3Bq/Kg,
セシウム137は5Bq/Kgならば、検出されないのはなぜですか?」
というご質問を頂きました。
放射能の性質と、その測定について理解していただくための
良い質問だと思いましたので、アドバイザーの河野さんに
お返事を頂きました。

<河野さんのお返事(説明)>・・・・・・・・・・・・・・・

【瓦礫の測定について】

瓦礫に含まれる放射能は均一ではありません。
大きい瓦礫を集めて測ると重量あたりの放射能は小さくなります。
逆に言えば、より細かい瓦礫を集めて測定すれば、
重量当たりの放射能は大きくなります。
それは放射性物質は多くの部分が瓦礫の表面に付着しているためです。
イメージとしては、海岸の小石を集めて塩を得るよりも、
同じ重さの砂を集めたほうがより多くの塩を得ることができる、と同じです。
これは塩分が小石や砂の表面についているということで説明ができます。
同じ重さだったら小石よりも砂のほうが表面積が大きいためです。
塩を放射能(放射性物質)、小石や砂を瓦礫の大小に置き換えていただければ
理解できると思います。
濃度が均一なものでも、付着しているものの体積によって
重量当たりの答えが変わってきます。
濃度が均一ではないものは、さらに不確定な要素を含むことになります。
すなわち、試料のサンプリングの仕方で放射能の量は変わってきます。
大きい瓦礫を選ぶか小さいのを選ぶか・・・。
個人的には、瓦礫の放射能測定は、その程度のものだと思います。
2倍3倍は違っているかもしれませんが、10倍は違わないと思います。

2012.3.8
河野 益近

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ちなみに
静岡の瓦礫を測定容器に詰めた写真を掲載します。

瓦礫(木くず)を細かく砕く事は出来なかったので、
比較的大きな木片もそのまま入れて、その周りに小さな木片を詰めました。
しかし、河野さんがGe測定器で測定をした時は、
Ge用の試料容器が小さい(200cc)ため、
「なるべく、細かな瓦礫を詰めた」そうです。
測定の特質を知り尽くした人(河野氏)の定量と、
まだまだ未熟者(馬場)の違いが測定値に現れた顛末でした。
皆さんに放射能の現実的な存在値に近づけた測定が出来なかった点をお詫びします。
恐縮です。

この経験を経て、
その後の『焼却後の無害化処理灰』の測定の折りは、
金属のように固い処理灰を、金槌で約1時間かけて粉砕して
測定をしました。
同じ瓦礫の測定で、測定値(定量値)が違う事について、
ご了解いただけたでしょうか?

静岡の測定器では
測定容器にしっかりと重量を詰める事が出来ない検体については、
検出限界も上がってしまいますので、
環境試料として重要な測定データである島田市の瓦礫を
Ge測定器での測定をお願いした次第です。
ご質問、ありがとうございました。

■ちなみに、食品の測定につきましては、
スピードカッターなどを使用し、小さな試料、あるいは液状にして
容器に詰めて測定をしていますので、ご安心ください。

2012年3月10日記  馬場利子

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〝島田市の瓦礫の試験焼却の測定結果について”質問にお答えします。静岡放射能汚染測定室

島田市の溶融炉で放射能はどの様に振る舞うのでしょう?

昨日(16日)と今日(17日、島田市では、東北地方の瓦礫の試験焼却が行われています。

15日 8:45のNHKニュース、がれきの試験焼却、運び入れ動画(約4分)。

島田市の溶融炉で焼却される時、放射能がどの様な動きをするか、当測定室のアドバイザー河野益近さんにご意見を伺いました。

以下、転記させていただきます。参考になればと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

焼却温度が高いということで、ゴミに含まれる放射性セシウムはますますガス状になる割合が多くなると思います。
薪ストーブの灰に放射性セシウムが多く含まれているのは、元が多いこともありますが、燃焼温度が低いので多くが灰に残るのだと思います。
放射性セシウムを含むゴミを焼却場で焼却した場合、炉内で放射性セシウムがどのように振舞うかを定性的に考えてみました。

①     ゴミを高溶融炉(1700~1800度)で焼却すると、焼却炉内で放射性セシウムは、安定した化合物の状態から分解してガス状に変わると思われます。
②     ガス化した放射性セシウムは活性であるため、周囲にある水蒸気と反応して水蒸気に取り込まれることになります。
③     この放射性セシウムを取り込んだ水蒸気は、水蒸気のままあるいは周辺に漂う灰に吸収されて、フィルターへ向かうと考えられます。
④     灰に吸収された部分については、フィルターで効率よく除去することができるということですが、水蒸気をフィルターがどの程度除去できるかはよくわかりません。
⑤     この放射性セシウムを含んだ水蒸気は、フィルターで除去できなければ、そのまま排気塔から環境へ放出されることになります。

焼却炉の各行程での放射性セシウムの分配を調べるには、この排気される水蒸気に含まれる放射性セシウムについても調べる必要があるとおもいます。またフィルターの水分除去率も知る必要があります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

本日(17日)、島田市市議会議員さんが、試験焼却されている瓦礫を測定のために、持って来てくださいました。

測定容器を別に作って用意をしましたので、土日の測定室がお休みの間に測定をしたいと思います。

結果が出ましたら、HPでお知らせしたいと思います。

2012年2月17日記 馬場利子

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島田市の溶融炉で放射能はどの様に振る舞うのでしょう?静岡放射能汚染測定室