健やかないのちとくらしを未来へ・・・ 

災害廃棄物Tag Archives

測定室だより 10号を発行しました

5月7日(月) 測定室だより10号を会員の皆さんに発送いたしました。
10号には、以下の記事を掲載しています。

① 2012年3月6日~4月7日に測定した50品目の測定結果
② 島田瓦礫試験焼却前後における松葉調査の測定結果
③ 測定室からのお知らせ

などです。

また、1周年の総会に先立ち、活動報告として

・測定再開をした昨年の6月11日から本年3月5日までに測定した409検体の測定品リスト
・測定した検体の中でセシウムを検出した59品目の食品名一覧表

を同封し、福島原発事故から1年のまとめを行っています。

島田市の瓦礫の試験焼却をきっかけに、
被災地現地で瓦礫処理が可能かどうか、取材した資料も同封していますが、
会員さんでなくても、地域で出来ることはまだまだ、あります。

参考になさっていただければ、嬉しいです。

★この『測定室だより』は会員向けの会報として発行していますが、
購読を希望の方は、以下にお申し込みください。お送りします。

◎会員外で購読を希望される方は、当測定室までお申し込みください。
Tel/Fax : 054-209-20121  Mail :  ssokuteisitu@yahoo.co.jp
創刊号よりバックナンバーもあります。 1部 500円+送料 80円=580円です。

< 測定室会員のみなさんへ>
『測定室だより』発送の際は、名簿の確認等行っておりますが、数日経ってもお手元に届かない場合は、お手数をお掛けしますが、ご一報、お願いします。

引き続き、放射能の内部被ばくを少なくするための測定活動にご協力をよろしくお願いします。

2012年5月13日
馬場利子記

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測定室だより 10号を発行しました静岡放射能汚染測定室

震災の瓦礫受け入れの『国の基準』は・・・

東京都に続いて、全国2番目に瓦礫の受け入れを表明した島田市が、
瓦礫焼却の安全性を確認するために、試験焼却を2月16日、17日と行い、
市民にも無害化処理灰(残り灰)を公開、必要な人には『残り灰』の貸し出しも行っていますので、
当測定室でがれき、残り灰共に測定をしました。
結果は、瓦礫を混入して焼却する前と後では、後の方が明らかに高い放射能を測定しました。

島田市も、焼却灰の測定結果をHPに公開していますので、
試験焼却する前の残り灰と、試験焼却後の残り灰を比較すると、
島田市の測定でも、試験焼却後の方が、放射能が高くなっている事が分かります。
「放射能濃度・空間線量率の調査結果の概要」
http://www.city.shimada.shizuoka.jp/mpsdata/web/7539/20120120_housyanou.pdf
この点を、島田市の環境政策課の担当者に
「試験焼却をして、瓦礫を混ぜた方が残り灰の汚染が高くなったのですから、
本焼却にはならなと思って良いでしょうか?」と聞きますと、
「残り灰は68㏃/kgで、食べ物の基準値(100㏃/kg)よりもはるかに低いので、
安全だということが分かった。市民も自分で測って安全だと分かって良かったと言っています。」
という返事でした。

島田市は、残り灰の汚染値が、
食べ物の基準値よりも低いので瓦礫受け入れは安全だと判断するようです。

しかし、島田市は事前に「試験焼却の残り灰が100㏃/Kg以下ならば、本焼却を行う」とは
言っていませんでした。

では、国の安全基準はどの様になっているのか。
環境省のまとめている瓦礫受け入れの資料が掲載されています。
環境省(Ministry of the Environment) 広域処理情報サイト
◆災害廃棄物の広域処理について◆
http://kouikishori.env.go.jp/
津波被害による災害廃棄物処理、瓦礫受け入れの基準値も
明記していますので、一度、見てください。

市民が安全性を心配し、瓦礫や残り灰の測定をしても、
国は、瓦礫として焼却可能な廃棄物の放射能レベルを 240~480㏃/kg
と初めからとても高い汚染レベルを想定していますので、
行政が「それ以下だから安全です」と言い切る根拠がここにあります。

·災害廃棄物については、環境省の広域処理情報サイトに詳細があります。
「資料一覧」
http://kouikishori.env.go.jp/material/
「津波被害による岩手県・宮城県の災害廃棄物の受け入れについて」
http://www.env.go.jp/jishin/attach/waste_koiki_pamph.pdf
また、「動画資料」でも詳しく『国の瓦礫処理基準』がいかに安全か、
説明をしています。

国は、昨年3.11以前は、『放射性物質として扱う必要のない物』(クリアランスレベル)を
100㏃/kgとしていたのですが、瓦礫処理を進める廃棄物の基準は
突然、240~480㏃/kgならば安全だと変わっています。

この数字は、廃棄物を運搬する人の被曝量やIAEAの数値を引用して
計算されていますが、あまりにも放射能の値が高くて、
市民感覚から遠い安全論であるように思えてなりません。

法律によって、国の事業は行われるわけですから、
災害廃棄物の広域処理推進法が国会で決められると、
各地方自治体も、独自に考える権限は失われ、
法律によって瓦礫処理を国に指示される事になります。

この『災害廃棄物広域処理推進法』は国会で審議される時、
「低線量の放射能も人の健康に有害であるから、放射能の拡散は国民の健康を脅かす」
という異議を申し立てをしてくれる国会議員は居るのでしょうか?

放射能の健康被害を考慮せず、
瓦礫処理を『災害復興』のための経済行為として進めるのは、
放射能は無害であるとしたい人々の選択にしか思えません。

市民1人1人の『不安』『心配』が通用しないところまできてしまいました。
『挙国一致』の美名が好きな日本人・・
何が出来るか、皆さんはどう思われますか?
出来る事・・皆さんのお知恵を貸して下さい。

2012年3月13日  馬場利子記

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震災の瓦礫受け入れの『国の基準』は・・・静岡放射能汚染測定室

島田市の溶融炉で放射能はどの様に振る舞うのでしょう?

昨日(16日)と今日(17日、島田市では、東北地方の瓦礫の試験焼却が行われています。

15日 8:45のNHKニュース、がれきの試験焼却、運び入れ動画(約4分)。

島田市の溶融炉で焼却される時、放射能がどの様な動きをするか、当測定室のアドバイザー河野益近さんにご意見を伺いました。

以下、転記させていただきます。参考になればと思います。

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焼却温度が高いということで、ゴミに含まれる放射性セシウムはますますガス状になる割合が多くなると思います。
薪ストーブの灰に放射性セシウムが多く含まれているのは、元が多いこともありますが、燃焼温度が低いので多くが灰に残るのだと思います。
放射性セシウムを含むゴミを焼却場で焼却した場合、炉内で放射性セシウムがどのように振舞うかを定性的に考えてみました。

①     ゴミを高溶融炉(1700~1800度)で焼却すると、焼却炉内で放射性セシウムは、安定した化合物の状態から分解してガス状に変わると思われます。
②     ガス化した放射性セシウムは活性であるため、周囲にある水蒸気と反応して水蒸気に取り込まれることになります。
③     この放射性セシウムを取り込んだ水蒸気は、水蒸気のままあるいは周辺に漂う灰に吸収されて、フィルターへ向かうと考えられます。
④     灰に吸収された部分については、フィルターで効率よく除去することができるということですが、水蒸気をフィルターがどの程度除去できるかはよくわかりません。
⑤     この放射性セシウムを含んだ水蒸気は、フィルターで除去できなければ、そのまま排気塔から環境へ放出されることになります。

焼却炉の各行程での放射性セシウムの分配を調べるには、この排気される水蒸気に含まれる放射性セシウムについても調べる必要があるとおもいます。またフィルターの水分除去率も知る必要があります。

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本日(17日)、島田市市議会議員さんが、試験焼却されている瓦礫を測定のために、持って来てくださいました。

測定容器を別に作って用意をしましたので、土日の測定室がお休みの間に測定をしたいと思います。

結果が出ましたら、HPでお知らせしたいと思います。

2012年2月17日記 馬場利子

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島田市の溶融炉で放射能はどの様に振る舞うのでしょう?静岡放射能汚染測定室

瓦礫受け入れについて、静岡県庁に行きます

今日、静岡県庁より、災害廃棄物受け入れ問題について、
1月6日(金)に届けた質問書に回答が出来たとの連絡がありました。
文章でお返事がいただけるとの事ですが、
廃棄物リサイクル課の専門官より「お話が伺いたい」との申し出があり、
日時をお約束して、県庁に伺うことになりました。
皆さんから、提出した質問書への賛同をいただく中で、
「一緒に質問書を届けに行きたい」という希望がありましたので、
もし、今回、日時の都合が付く方があればいらして下さい。
ただし、あまり大勢で訪問しては
県の担当官との信頼関係を作りにくくなると思いますので、
今回は4~5人で行きたいと思います。
静岡県庁 廃棄物リサイクル課に
1月30日(月) 13:00 です。
参加される方は、27日(金)10:00~16:00に
測定室までお電話(054-209-2021)でご連絡ください。
5名になった時点で、次回参加をお願いいたしますが、
ご了解ください。
静岡県のお返事につきましては、HPに掲載し、
ご報告いたします。
賛同署名は、30日に持参いたします。
関心を持っていただき、ありがとうございます。
2012年1月25日   馬場利子 記
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瓦礫受け入れについて、静岡県庁に行きます静岡放射能汚染測定室

瓦礫受け入れに的確に対処した模範自治区を紹介します

現在、静岡県は各市、各市民あげて東北の瓦礫受け入れについて議論が進んでいますが、
すでに皆さんもご存知かもしれませんが、
本当に的確で冷静な提案をしている行政区の情報を得ましたので、ご紹介いたします。

 

関西広域連合が発表した
『東日本大震災で発生した災害廃棄物の受入について(提案)』です。
以下、提案の全文を転記します。

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『東日本大震災で発生した災害廃棄物の受入について(提案)』

 

 東日本大震災で発生した災害廃棄物は膨大な量に及び、被災地の復興に向けて、出来る限り速やかな処理を図るために、広域な対応が求められている。
 このような状況にかんがみ、関西広域連合としては、下記の通り放射性廃棄物に汚染された可能性のある災害廃棄物の取り扱いに関する基準や処理方針を国が明確化することを前提に、被災地の災害廃棄物の広域処理に向けた取り組みを検討することとする。

1、  災害廃棄物処理のための基準についての明確化

 原子炉等規制法では、原子力発電所内の工事で発生したコンクリートや金属類等のうち、そのまま再利用できるとした基準(クリアランスレベル)は100Bq/kgである。
 しかし、環境省の「東日本大震災により発生した災害廃棄物の広域処理の推進に係るガイドライン(以下「ガイドライン」という。)には、安全に埋立可能な目安として8.000Bq/kgという値が示されているが、クリアランスレベルとの間に数値上大きな乖離が生じている。 
 こうしたことから、住民に対し、安全性の確保について一貫した説明が出来ない状況となっている。
 国にあっては、放射性物質に汚染された可能性のある災害廃棄物の取り扱いに関する基準について、クリアランスレベルとの関係を含め明確に説明するよう要請する。

2、  災害廃棄物の処理の全体方針スケジュールの明確化

 広域処理の必要量の把握の前提となる災害廃棄物の種類別発生量、域内処理可能量、コンクリートがら、木くずなどのリサイクル可能量などが明らかにされておらず、処理の全体方針が明確化されていない。
 それゆえ、広域処理の必要性やその具体量、処理方法などが明確にされていない。環境省にあっては、災害廃棄物全体の処理方針と計画及びスケジュールを早期に明らかにするよう要請する。

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以上です。
 

東北の支援という名目に流されず、住民の合意を得るために、
国の災害廃棄物処理(瓦礫の受け入れの要請)について、
疑問点や乖離する現状を、このように表現し、提案ができる関西広域連合の
手腕と知識にとても感動しました。

先週、静岡県に持参した質問書の答えを受け取りに行く機会に、
この『東日本大震災で発生した災害廃棄物の受入について(提案)』を
持って行きたいと思います。

同様に、静岡市にも届けたいと思っています。
皆さんの自治体で瓦礫受け入れの動きがあるようでしたら、
是非、この『提案書』を参考にしていただけたらと思います。

災害復興の支援の名のもとに、感情論で放射能を環境問題の別枠にする事がないよう、
自然の循環を最大限に生かした処理を求めたいと思います。

2012年1月12日   馬場利子記

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瓦礫受け入れに的確に対処した模範自治区を紹介します静岡放射能汚染測定室