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3月22日『託送料金取り消し訴訟』の判決が出ました。報告:馬場利子

2020年10月15日に『グリーンコープでんき』より提訴された、『託送料金取り消し訴訟』の判決が3月22日、福岡地方裁判所で出されました。
 当日は、私(馬場)も現地で原告の皆さんと一緒に判決を傍聴しましたので、裁判の簡単な経過と共に、報告をさせていただきます。

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 この訴訟は、2017年に『託送料金(電気を消費者に送るための送電費用)に、「原発事故賠償負担金」と「廃炉円滑負担金」を上乗せして消費者から徴収して良い』とした経済産業省令がでてから足掛け6年。
送電費用と全く関係がない2つの費用を、電気事業法の改正(国会審議が必要)をしないで、経済産業省の1委員会で決めたことの違法性を容認できないとして、国を相手とした裁判を行うと決めるまで40回の託送料金裁判検討委員会を開き、原告となる一社『グリーンコープ共同体』(40万人)が、各地域で勉強会や討議を重ねての訴訟でした。

この裁判は、九州の1つの新電力会社による裁判ではありますが、「電気料金が国会審議だけで勝手に決められる」としたら、これから先も、電気を送る費用に関係がないお金を上乗せして支払わなければいけなくなるのは、全国のすべての消費者に関わる問題でもあります。

静岡では、2021年6月に『グリーンコープでんき託送料金を支える会・静岡』を作り、参加を呼び掛けて、裁判を応援してきました。

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日本では、議会制民主主義によって運営されることが憲法で決まっています。
そして、立憲主義に立って政策や国の運営がなされる日本においては、人に『義務』と『制限』を加えられるのは法律に依って決められている場合だけです。

「電気事業法」の中で託送料金として規定されているのは、『託送料金は託送に関わる必要経費と適正な利益』となっています。
この裁判で、裁判所に判断してもらいたいとして訴えたのは、【託送料金として全く関係がない「原発事故賠償負担金」と「廃炉円滑負担金」を託送料金の営業費として上乗せして徴収しても良いのでしょうか?】ということでした。

判決は、その問いに全く答えず、国が答弁した文章を引用するような文章でした。

判決を伝える原告

《判決について、『グリーンコープでんき託送料金を支える会』より、以下の一報が届きました。
支える会の皆さま。
いつもお世話になっています。昨日(3月22日)、福岡地方裁判所で託送料金訴訟の判決が出ました。
原告の請求を棄却するというものでした。心より残念です。
原告適格は認めましたが、この2つの負担金(賠償負担金と廃炉円滑化負担金)は公益のために電気利用者のすべてが負担するものであり、経産省の認可処分は法律の委任範囲内のものであり、違法ではない、というものでした。
国が出した準備書面をそのままなぞるかのような判決でした。憤りと悔しさはありますが、あきらめることはできないと思っています。
今後について、来週3月30日にグリーンコープ臨時理事会を開いて、裁判を上告するかどうか決めていきます。
方針が定まりましたら、あらためてご一報させていただきます。
よろしくお願いいたします。

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「託送料金訴訟経過報告」
ホームページURLはこちら↓
https://www.greencoop.or.jp/takuso-ryokin/
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 裁判傍聴の私感は、追ってご報告しますが、私は【裁判も公式(公開)のコミュニケーション・ツール】だと思っていますので、残念ではありますが、私たちの(正当な(笑))意見に同意しない人(裁判官)が居ることは当然あると思っています。
主張が通らなかったからと言って、今回の裁判が無意味だったとは決して思えません。
意見が違っても、どこまでも話し合い(問い続ける)中で、社会の作り方を法廷以外で替えている場合が少なくありません。
何より、判決が出た後で行われた記者会見ではでは、新聞記者さんたちの的確な質問がありました。
そして、原告団報告会に参加した1人1人が、自分の言葉で裁判について思いを述べ、判決を不服として「上告をして欲しい」という人たちの力強い発言に深く感動しました。

記者会見に臨む原告団代表

皆さんに応援していただいている【託送料金裁判】について、引き続き、報告をしていきたいと思っています。
よろしくお願いします。

2023年3月24日
馬場利子記

♯グリーンコープでんき託送料取り消し訴訟

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3月22日『託送料金取り消し訴訟』の判決が出ました。報告:馬場利子静岡放射能汚染測定室

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測定室代表 馬場利子

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