健やかないのちとくらしを未来へ・・・ 

2016/10/14Daily Archives

【お勧め書籍】福島原発事故を海外の報道から検証する1冊!

測定室には、様々な方が訪れて下さり、多種多様な情報を届けてくださいます。

福島原発事故は、いったい何が起こり、どの様な状態になっているのか・・
すでに報道誰る事も少なくなっていますが、福島原発災害についてまとめた1冊のお勧め書籍を紹介してくださり、
測定室に寄贈をして下さいました。

お奨めの1冊

この書籍を寄贈して下さった方に、書籍の紹介もお願いしました。
書籍紹介を読むだけで、かなりの情報が伝わってきます。

『世界が見た⑤福島原発災害』 ハンディ版 287頁 2000円+税 緑風出版

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大沼安史 著『世界が見た福島原発災害.5.フクシマ・フォーエバー』を読む

                                松尾俊一

 畏友・大沼安史より、著者謹呈「世界が見た福島原発災害.5.フクシマ・フォーエバー」が送られてきた。
ダニエル・グリーンバーグ著、大沼安史訳「自由な学びが見えてきた ― サドベリー・レクチャーズ」、
「世界が見た福島原発災害.4.アウト・オブ・コントロール」、
ラッセル・L・エイコフ、ダニエル・グリーンバーグ共著、大沼安史・呉春美共訳「逆転の教育 ― 理想の学びをデザインする」に次いで4冊目だ。

送られて来るたびに、著者・訳者の深い学識と守備範囲の広さに裏打ちされた旺盛な探究心に、
改めて感服させられてしまうのだが、それもむべなるかな。
著者略歴を見ると、東北大学法学部卒、北海道新聞社入社、
各地の報道部や社会部記者を経て、カイロ特派員、外報部デスク、社会部デスク、論説委員を勤めた後、
中途退社してフリーのジャーナリストに成り、また東京医療保健大学特任教授も勤めたとある。
(私のように社会的地位も名誉もキャリアも何も無い者が、知り合いの一端に連ねさせて頂いている事が不思議な位なのだが、
それも彼の懐の深さを示すものなのだろう。)
 
その多才な彼が、日本語や英語のみならず、ドイツ語やフランス語を駆使し、
ネットを駆使して、海外メディアが伝える福島第一原発(フクイチ)の、
日本のマスコミが伝えようとしない隠蔽されている真実を、
フクイチ5周年を前後した期間について書き記したものをまとめたものが本書と成っている。

 そこで引用されている海外メディアを一瞥するだけでも、彼の守備範囲の広さが解ろうというものだ。
【ユーレカラート、ルモンド、フォーブス、エコロジスト、AP通信、ニューヨーク・ポスト、グリーンピース・インターナショナル、USAトゥディ、社会的な責任を果たす医師団、核戦争防止国際医師会議スイス支部、グローバル2000、地球の友オーストリア、リベラシオン、ガーディアン、国際臨床調査ジャーナル、CNN、カナダCBC、ヴェッセル・ファインダー、BBC、グローバル・インドネシアの声、ジャカルタ・ポスト、科学と未来、ウォールストリート・ジャーナル、憂慮する科学者同盟、ロイター通信、ニューヨーク・タイムズ、フェアウィンズ、NBC、NBCニューヨーク、WYFTニュース4、アーカンソー・オンライン、エンフォーマブル、エネニュース、聯合通信、デイリー・メール、コースト・トゥ・コーストAM、オーストラリアABC、ノーチラス、核科学者報、ワールド・ポスト、フォーチュン、サイエンティフィック・アメリカン、ニュークリア・エンジニアリング・インターナショナル、ニュー・サイエンティスト、サウスチャイナ・モーニングポスト、ワシントン・ポスト、新華社、国際環境疫学協会、レコード・チャイナ、ニュークリア・ニュース、チャイナ・オルグ、世界水・気候財団、スイス気象台、ハンブルク州立歌劇場、ハフィントン・ポスト、ハンブルガー・ウォッフェンブラット、ヴェルト、等々】
これらの全てを一人で渉猟し続ける事は、いかに有能な著者でも不可能であろうから、
その背後には、長年に渡る取材等で親密に成った、信頼に足る有能なコレスポンダントが数多く居る事だろう。

彼は、人をしてそうさせずにはおかない不思議な魅力と情熱を兼ね備えてもいる。
 そんな著者が、福島原発災害について、私たちが知らない、
日本のマスコミが伝えようとして来なかった数々の真実を、本書で提示して見せる。

曰く、
●東京は「超微粒ガラス球プルーム」に襲われていた!
●飯館村にはプールム由来のウラニウム超微粒子
●この先、16,000人以上の癌発症を予測。
●特措法・炉規法に違反。
●3号機を上回るプルームが4号機から出ている!
●GE沸騰水型炉は元々核兵器をつくるためのもの。
●ヒロシマ核分裂ウランの60万倍
●処理済み汚染水に高濃度のストロンチウム
●海洋プルーム、日本海にも回帰。
●「被曝」と書くと診療報酬が支払われない。  等々。

 ごく一部のタイトルを目次から拾ってみただけで、本書がどれ程衝撃的な告発の書であるか明らかだ。
 かくして著者は、福島原発災害を「フクイチ・スーパー核惨事」としてまとめ上げる。
●「フクイチ」発の放射性プルーム(放射能雲)が無数の、目に見えない超微粒子ガラス球を運び、
 東京など風下になった地域を襲って、人びとの肺の奥まで到達した。
 死の灰のガラス球による呼吸被曝が広範囲で起きていた恐れが急浮上した。

●「フクイチ」が1~3号機原子炉の「トリプル(三重)」爆発メルトダウンではなく、
 4号機の使用済み核燃料プールでも同時発生した「カドラプル(四重)」爆発メルトダウンだった可能性が、
 米国の原子力規制委員会の情報開示請求公開文書で確証された。
●「フクイチ」で少なくとも「600トン」もの溶融核燃料が地下にもぐり、「天然原子炉」化している恐れが指摘されていることがわかった。
●「フクイチ」が半永久的に、放射能汚染水の巨大発生装置としても在り続ける恐ろしい現実もハッキリしてきた。
 諸証拠や傍証を駆使した著者の手際の良さは、高度な推理小説をひもといているかのようだ。
 そして著者は、最後には、10万年後の未来を見据えた哲学者と化す。

曰く:「わたしたちは遠い未来の到達点を、個々人の人生の究極目標と定め、
それに向かって歩けるだけ歩くしかない。
わたしたち自身が斃[たお]れたあと、わたしたちの人生の延長にある、死の灰なき世界への歩みを次世代へ託し、
その繰り返しの中で10万年先の「未来浄土」を目指すしかない。
つまり、わたしたちは「フクイチ・プルトニウム」が「半減」の末、ようやくほぼ消滅し、
この世に放射能汚染のない「浄土」が再来するその瞬間に向かって、世代を超え、いのちを繋いで生きていくしかないのである。・・・
 今や、道はわたしたちの跡に生まれるものではなく、わたしたちの前に続く、
未来から来るものになったような気がする。
「浄土」や「極楽」あるいは「天国」にしても、西方や来世、あるいは頭上にあるのではなく、
「10万年後」の清浄の地を目指す、この世の道筋の上にあるものになった。・・・
わたしたちは皆、個人としては「10万年後の未来浄土」を目指す旅の途上でそれぞれの時間を終えざるを得ないが、
そのとき、わたしたちは「前を向いて」いなければならない。

未来に向かって、前に斃れ込まねばならない。
「フクイチ・スーパー核惨事」に生まれ合わせたわたしたちは、
だれもが被曝穢土から未来浄土へ歩み続ける「フクシマの旅人」の第一世代である。

 かくして本書は、きわめて実践倫理的な哲学の書でもある。
平田オリザの「海・静かな海」や、石牟礼道子の「苦海浄土 ― わが水俣病」と「不知火」の哀しくも詩的な情景は、
著者の心象風景を彩って、私たちの心を打って余りある読み物となっています。

 著者は個人ブログ「机の上の空」で、「フクイチ」情報などの発信を続けておられる由。
インターネットをされる方はアクセスしてみて下さい。
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1

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地球の時を刻む秋の風景
ぜひ、皆さんも、この大沼安史 著『世界が見た福島原発災害.5.フクシマ・フォーエバー』を、
多くの人が手に取れるように、お近くの図書館にリクエストをしてお読みいただきたいと願います。

2016年10月14日
馬場利子記

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