去る2月16日、17日に島田市で行われた瓦礫の試験焼却は、市民への公開を約束した中で行われました。一般公開だけでなく、島田市議さんが、実際に瓦礫を測定をするように持参されましたので、測定を行いました。
本当に木材チップ(木片)のみで、このまま土に混ぜればすぐに自然に還りそうな有機物でした。この瓦礫を容器に入れて測定しましたが、重量が軽いため、測定限界が上がってしまい、当測定室では不検出となりました。
測定結果をご覧ください。(クリックすると拡大します)
このため京都大学のゲルマニウム測定器で追加測定を行った結果、
■試験焼却用瓦礫はセシウム134と137の合計19.5 Bq/kgでした。
測定終了日:2012/2/26 重量:52.5(g) 時間:27,000 (sec)
Cs-134 : 6.4 (Bq/kg) Cs-137 : 13.1 (Bq/kg)
セシウCs-134 +Cs-137 : 19.5 (Bq/kg)
島田市HPで公開している一般搬入ゴミの放射能濃度(平成23年12月22日調査)と比較しますと、検出限界:7(Bq/kg)で測定した結果が不検出となっていますので、当測定室と同性能のシンチレーション式の測定器で測定しているため、島田市の一般ごみよりも、持ち込まれた瓦礫の放射能の濃度が低い… と判断するデータとはなっていません。
■試験焼却による焼却残り灰(スラグ)も測定をしました。
放射能濃度は、 セシウム134:16.5 Bq/kg、 セシウム137:24.9 Bq/kg、
合計は41.4Bq/kgでした。
この結果と、前出の島田市の平成24年1月10日調査によるスラグの汚染値と比較しますと、検出限界を考慮しても、明らかに高くなっています。 焼却残り灰(スラグ)と測定結果(クリックすると拡大します)
島田市独自の放射能測定も行っていると思いますので、今回の測定結果を島田市に届け、比較をお願いします。島田市の測定結果など、回答を得ましたらご報告します。
2012年3月4日記 馬場利子
http://sokuteisitu.plumfield9905.jp/2012/03/06/%e5%b3%b6%e7%94%b0%e5%b8%82%e3%81%ae%e7%93%a6%e7%a4%ab%e8%a9%a6%e9%a8%93%e7%84%bc%e5%8d%b4%e3%81%ae%e6%b8%ac%e5%ae%9a%e7%b5%90%e6%9e%9c%e3%82%92%e5%a0%b1%e5%91%8a%e3%81%97%e3%81%be%e3%81%99%e3%80%82/ 島田市の瓦礫試験焼却の測定結果を報告します。 静岡放射能汚染測定室
昨日(16日)と今日(17日、島田市では、東北地方の瓦礫の試験焼却が行われています。
15日 8:45のNHKニュース、がれきの試験焼却、運び入れ動画(約4分)。
VIDEO
島田市の溶融炉で焼却される時、放射能がどの様な動きをするか、当測定室のアドバイザー河野益近さんにご意見を伺いました。
以下、転記させていただきます。参考になればと思います。
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焼却温度が高いということで、ゴミに含まれる放射性セシウムはますますガス状になる割合が多くなると思います。
薪ストーブの灰に放射性セシウムが多く含まれているのは、元が多いこともありますが、燃焼温度が低いので多くが灰に残るのだと思います。
放射性セシウムを含むゴミを焼却場で焼却した場合、炉内で放射性セシウムがどのように振舞うかを定性的に考えてみました。
① ゴミを高溶融炉(1700~1800度)で焼却すると、焼却炉内で放射性セシウムは、安定した化合物の状態から分解してガス状に変わると思われます。
② ガス化した放射性セシウムは活性であるため、周囲にある水蒸気と反応して水蒸気に取り込まれることになります。
③ この放射性セシウムを取り込んだ水蒸気は、水蒸気のままあるいは周辺に漂う灰に吸収されて、フィルターへ向かうと考えられます。
④ 灰に吸収された部分については、フィルターで効率よく除去することができるということですが、水蒸気をフィルターがどの程度除去できるかはよくわかりません。
⑤ この放射性セシウムを含んだ水蒸気は、フィルターで除去できなければ、そのまま排気塔から環境へ放出されることになります。
焼却炉の各行程での放射性セシウムの分配を調べるには、この排気される水蒸気に含まれる放射性セシウムについても調べる必要があるとおもいます。またフィルターの水分除去率も知る必要があります。
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本日(17日)、島田市市議会議員さんが、試験焼却されている瓦礫を測定のために、持って来てくださいました。
測定容器を別に作って用意をしましたので、土日の測定室がお休みの間に測定をしたいと思います。
結果が出ましたら、HPでお知らせしたいと思います。
2012年2月17日記 馬場利子
http://sokuteisitu.plumfield9905.jp/2012/02/17/%e5%b3%b6%e7%94%b0%e5%b8%82%e3%81%ae%e6%ba%b6%e8%9e%8d%e7%82%89%e3%81%a7%e6%94%be%e5%b0%84%e8%83%bd%e3%81%af%e3%81%a9%e3%81%ae%e6%a7%98%e3%81%ab%e6%8c%af%e3%82%8b%e8%88%9e%e3%81%86%e3%81%ae%e3%81%a7/ 島田市の溶融炉で放射能はどの様に振る舞うのでしょう? 静岡放射能汚染測定室
島田市が2月16日(木)に瓦礫の試験焼却を行うという発表がありましたので、
急きょ、松葉による環境放射能の測定を研究テーマにしている河野益近さん
(当測定室アドバイザー、京都大学在職)を招聘して、事前の環境測定用の
松葉採取を行いました。
松葉採取にあたり、松の木の所在地を教えていただけるよう、前日にメール
などでお願いしたにもかかわらず、多くの方から情報を寄せていただきました。
本当にありがとうございました。
多くの場所でサンプルを取っても、焼却による環境への影響を知るという点では、
効果が変わらない為、また、1サンプルあたり1~3日の定量時間がかかる事も
考えあわせて、島田市で7か所、市の境(牧の原市)で1検体、比較対象として
静岡市で1検体、合計5か所での採取となりました。
事前調査の結果は、定量が出来たデータから順次、ご報告していきます。
今後の調査委予定は、
① 試験焼却(16日)の2~3日後に、同じ地点でサンプリングを行います。
② それ以後のサンプリング調査については、島田市の方とも相談をして決めたいと思います。
この相談の期日は、今回の2回の調査結果が出たところで行う予定をしていますが、
島田市の会員さんより意見を頂けるようでしたら、メール、ファックス等でお寄せ下さい。
現地の方の要望や希望を伺いながら、今後の調査につなげていきたいと思います。
今回、ご協力くださった皆様、ありがとうございました。
2012年2月11日(土) 馬場利子記
追記:
瓦礫に入っている放射性物質は、燃やされたときに水蒸気とともに、大気中に排出される
ことも考えられます。また、燃えなかった瓦礫は、1800℃で溶かされ溶融物として、
水砕ピットに落ちて冷やされ、ガラス状のスラグになり、道路などの材料に利用されます。
施設から排出される水蒸気や、水砕ピットの水の処理も気になります。
ゴミ焼却の仕組みは、下記をご参照下さい。
「ごみゼロ日記 静岡」田代環境プラザレポート。
http://ameblo.jp/gomizeo/entry-10194940576.html
・田代環境プラザ(島田市焼却施設)–>
http://sokuteisitu.plumfield9905.jp/2012/02/12/%ef%bc%92%e6%9c%88%ef%bc%91%ef%bc%90%e6%97%a5%ef%bc%88%e9%87%91%ef%bc%89%e5%b3%b6%e7%94%b0%e5%b8%82%e3%81%a7%e6%9d%be%e8%91%89%e3%81%ae%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%97%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%82%92/ 2月10日、島田市で松葉のサンプリングをしました。 静岡放射能汚染測定室
島田市の試験焼却が行われる前に、松葉を採取し、
現在の島田市の放射能汚染状況をしるため、松葉の放射能を測定します。
そのための、島田市の松の木の所在地を探していただくお願いに対して、
多くの方にお返事をいただきました。
心から、感謝いたします。
10日の予定は、
9:30 河野氏来静
9:45 静岡市内にて比較のための松葉採取
10:30~ 県庁記者クラブにて『松葉による島田市の汚染調査」について記者会見
13:00 島田駅
13:10 福祉市民スペース“ういるび~”にて、採取場所決定
13:20より、市内各所にて、松葉採取
測定は京都にて、河野益近さんの研究室にて行って下さいます。
今回の結果は、このHPにも掲載し、ご報告していきます。
引き続き、16日の試験焼却が終わった後にも、松葉を採取して測定をします。
明日以降の松葉の採取は、一同が介して行う必要はなく、
今回、採取した松の近くにお住まいの方に、お願いして試料を取っていただければと思っています。
宜しくお願いします。
2012年2月9日(木)
馬場利子記
http://sokuteisitu.plumfield9905.jp/2012/02/09/10%e6%97%a5%ef%bc%88%e9%87%91%ef%bc%89%e3%80%81%e5%b3%b6%e7%94%b0%e5%b8%82%e3%81%ae%e6%94%be%e5%b0%84%e8%83%bd%e6%b8%ac%e5%ae%9a%e3%81%ae%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e6%9d%be%e8%91%89%e3%82%92%e6%8e%a1/ 10日(金)、島田市の放射能測定のための松葉を採取をします。 静岡放射能汚染測定室
1月31日(火)島田市に瓦礫の焼却について、
安全の確認方法など、焼却炉の性能についても質問書を届けました。
–> * 島田、瓦礫焼却試験についての質問書(pdf)
■2月7日、島田市が16日(木)に試験焼却を実施すると発表しました。
これを受けて、測定室ではアドバイザーの河野さんと島田市の有志の方と一緒に、
事前調査を行う準備を進めています。
松葉による放射能汚染値の測定を行う目的は:
・現在(焼却前)の島田の放射能の汚染レベルを知る事。
・焼却による環境変化を観察する事
です。
■島田市の会員の皆さんにお願いがあります。
・松葉による事前調査のため、松葉採取を2月10日(金)に行います。
① 明日9日(木)夕までに、島田市内の採取可能な松がある場所を教えてください。
準備期間が無い中で、サンプル採取日を決めましたので、
松のある位置を正確に把握できていません。
サンプルは松葉100g前後必要ですので(末尾の画像ご参考)、
剪定した庭木の松葉では足りません。
松葉の茂った木のある場所(採取しても問題の無い木)を探して下さい。
② 試験焼却が終わった後も松葉の採取の測定を行います。
もし、本格的な焼却が始まるようでしたら、
定期的に環境調査を継続する必要があります。
当測定室からも採取に伺いますが、
おおむね数か月に1度の採取を、都合がつく方に
協力していただく緩やかなチームを作りたいと思います。
詳細は、後日お知らせします。
島田付近にお住いの方、よろしくお願いします。
2012年2月9日(水) 馬場利子記
http://sokuteisitu.plumfield9905.jp/2012/02/08/%e9%9d%99%e5%b2%a1%e7%9c%8c%e5%b3%b6%e7%94%b0%e5%b8%82%e3%81%ab%e7%93%a6%e7%a4%ab%e7%84%bc%e5%8d%b4%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6%e8%87%b3%e6%80%a5%e3%81%ae%e3%81%8a%e9%a1%98%e3%81%84/ 静岡県島田市に瓦礫焼却について至急のお願い 静岡放射能汚染測定室