9月9日(金)午前、北朝鮮が地下核実験を行ったという政府発表があり、
日本への影響は少ないと報道もされていますが、
この件で、当測定室のアドバイザー:河野益近さんが、ご自身の【放射能何でも相談室】に寄せられた質問に対し、以下のように回答をされています。
・・・・・・【放射能何でも相談室】http://shiminken.blog50.fc2.com/blog-entry-67.html
(室長:河野益近氏)・・・・・
【質問】
NHKのサイトで「北朝鮮核実験 大気中に放射性物質検出されず」
(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160910/k10010679711000.html)
という記事がありましたが、放射性物質が検出されないということだとすれば、本当に核実験だったのでしょうか?
【回答】
新聞報道されている各国の対応を見れば、核実験が行われたことは間違いないと思います。
地下核実験ですから、実験用トンネルをしっかりと塞いでいれば、放射性物質が地上に漏れ出ることはほとんどないと思います。
ただし、核分裂で生まれるクリプトン(Kr)-85やキセノン(Xe)-133などの放射能をもった不活性ガスはわずかでも隙間があれば漏れ出てくるので、検出するのであればこれらのガス、特に半減期が5.248日と短く、過去の核実験の影響が残っていないキセノン-133を検出する必要があります。
記事によると、大気中のちりを集めたとなっているので、これらの不活性ガスは捉えられていないと思います。
また地下核実験で、国内の放射線量が変化することも考えにくいと思います。
調査というものは、目的をしっかりと持ってきちんとした方法で行わないと、頓珍漢なものになってしまいます。
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※Kr-85は半減期が10.76年と比較的長いので、過去の核実験で放出されたものが現在でも大気中に残っています。
また再処理工場からの放出が非常に多いため、再処理工場のない南半球に比べると、
北半球の大気に含まれるKr-85は30%ほど多いという報告があります。
※Xe-133はβ崩壊して安定なセシウム(Cs)-133になります。
このCs-133が原発の燃料棒の中で中性子を吸収して放射性のCs-134になります。
Cs-134は核実験では作られず、原発のみで作られる放射性物質です。
ちなみにCs-137は核分裂によって作られるので、原爆、原発を問わず作られます。
・・・・・・以上です・・・・・・・・・・・・・・・・・
核実験といえば、昭和30年代から中国も何度も行っていて、
幼かった当時の子どもたち(私たち・・)は、「中国が原爆の実験をしたから、雨に濡れないようにしないといけない」と、親からも先生からも注意をされていました。
地下核実験では、「空間線量に変化が起こることは考えにくい」との事。
私は、簡易測定器で9日から空間線量計を測定してきましたが、
「影響がない」事を、自分自身で確認できて良かったと思っています!
線量計を持っている皆さんと一緒に観察できたことに感謝しています。
ありがとうございました!
2016年9月11日
馬場利子記