8月31日(金)に 静岡県の学校給食の放射能測定について、
静岡県教育委員会 学校教育課 健康・安全班との意見交換会に参加し、
その報告が遅くなりましたが、以下にご報告をします。
意見交換会の主催は、静岡県学校給食ネットワーク(プラムフィールドで行っている給食探検隊も参加)です。
静岡県では、本年の5月より、文部科学省の予算措置により、
測定器(NaIシンチレーションスペクトルメーター)を県内5か所に設置し、
給食材料の測定を希望する市町からの持ち込みにより、測定を開始しています。
設置場所、測定限界値、測定値の公開などについて、
あらかじめ、質問を届けて、それに答えていただき、
その後、意見交換を行いました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・意見交換会報告記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
静岡県教育委員会学校教育課担当者と静岡県学校給食ネットワークの意見交換会報告
文責:静岡県学校給食ネットワーク 小櫛和子
学校給食食材の放射能測定について、事前に提出した質問事項に対する回答をいただき、意見交換をしました。
日時:平成24年8月31日(金) 14:00~14:50
場所:県庁西館7階 県教育委員室
参加者:県教育委員会 学校教育課 健康・安全班 3名
静岡県学校給食ネットワーク 6名
事前質問とその回答
1. 設置した放射能測定器は、県内の何ヶ所にありますか?
回答:5ヶ所です。
2. 設置している市町名を教えて下さい。
回答:下田市(下田高校)
・沼津市(沼津視覚特別支援学校)
・静岡市(静岡聴覚特別支援学校)
・掛川市(県総合教育センター)
・浜松市(浜松視覚特別支援学校)です。すべて県の施設に設置しました。
3.測定する食材の指定は、誰が行っていますか?
回答:測定を希望した各市町等の学校給食担当です。
測定のキャパは限られていますので、 県は日程調整を行っています。
平成24年度の前期については、4月に希望を聞いて5月~10月までの日程を決めました。
後期の11月から翌年3月については、現在希望を聞いており、10月には日程を決める予定です。
4. 検出限界値は定めていますか?決めているとすれば、何Bq/kgか教えて下さい。
回答: セシウム137と134の合計値 25ベクレル/kg
ヨウ素 10ベクレル/kg を設定しています。
(厚生労働省の食品中の放射能セシウムの基準値は100ベクレル/kg)
5. 測定された数値は、公開していますか?
6. 測定値を公開している場合、県民はどの様にして測定値を知ることが出来ますか?
回答:県のホームページで公開しています。(7月まで483検体測定しすべて不検出)
県のトップページから、「東日本大震災に関する情報」
➠「環境放射線に関する情報 静岡県内の環境放射線等(お茶・きのこなどの農畜産物を含む)の監視状況」
➠「学校給食食材 リンク」➠「静岡県の給食等で使用する食材の放射能測定について」
➠「検査結果 詳細はこちら」で検索できます。
7. 検出された数値が国の基準より低い場合は、問題ないと判断しますか?
回答:厚生労働省の基準値(100ベクレル/kg)をもとに問題ないと判断します。
ただし、NaI(TI)シンチレーションスペクトロメータ―によるスクリーニング検査での誤差等を考え、
基準値の半分(50ベクレル/kg)を越えた場合は、2回測り直し、
その結果によって県の衛生課と相談してゲルマニウム検査にするかどうかの判断をします。
8. 学校給食の形態は、各自治体でさまざまであり、食材の納入方法も一括、個別など違いがあります。
どの食材をどのタイミングで検査するかの裁量権が各自治体にあるのか、
それとも県の方針に沿わなければならないのかを教えて下さい。
回答: 学校給食は、各自治体の責任で行われているので、食材の選定は検査を希望
した市町等が責任を持って行っています。
県は、検査日の日程調整をします。検査対象も一応16都県(青森・岩手・
宮城・秋田・山形・福島・茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・
新潟・山梨・長野)において生産される農畜水産物としていますが、
県内産を含めて他の地域のものを検査することもあります。
話し合いの中で
保護者の中には、過剰に心配している人もいます。
たとえば、牛乳と米はすべて県内産であり、小麦も20%が県内産で残りは輸入しているというようなことをしっかり伝えたり、
放射能測定の結果をホームページで検索する方法を伝えるなどの努力もしていただけるとありがたいです。
「静岡放射能汚染測定室」では、定期的に食品や土を測定しています。
昨年6月から、1年間で約500検体の測定を行ってきました。
その結果、ほぼ心配のないものと、測定を続けていく必要があるものが見えてきました。
各市町の担当者が食材の選定をしているということですが、せっかく貴重な予算を使って測定するのですから、
ぜひ、本当に測定が必要とおもわれる食材を選定する力を付けて欲しいです。
食材の放射能測定は行っていますが、汚染地区から堆肥が移動することで、
たとえば北海道などで微量に検出されはじめました。日本中に汚染が広がらない手当も必要です。
未来を担う子ども達の健康を考えると、放射能内部被曝を憂慮する保護者は多いです。
しかし私たちは、これから長い間放射能汚染と向き合っていく覚悟をもちながら、
適切な対処法を考えていかなければなしません。
今後も情報を共有して、よりよい形を目指していきましょう。
これからもよろしくお願いします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・報告は以上です・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
本年5月から、県が測定を始めた測定結果がHPで公開されていますので、
どの市が測定を実施しているか、また、測定を1度もしていない市を調べてから、
皆さんにご報告しようと思っていましたので、
こんなに報告が遅くなってしまいました。
今は、結果をまとめるだけの時間が取れそうもありませんので、
意見交換会だけの報告をさせていただきます。
測定を実施している市町(学校)は、繰り返し測定をしていますが、
静岡市などは、1度も測定をしたことがありません。
測定基準値が高めであったとしても、測定器は税金を投じで設置されたものです。
市町で、放射能への対応も少しづつでもしてもらえるよう、
働きかけたいと思っています。
皆さんも、
各県で文部科学省の予算措置による学校給食の測定器設置が行われているかどうか、
測定器が設置されいる県では、どのような測定がなされているか、
教育委員会に問い合わせてみるといろいろな事が分かると思います。
引き続き、追って、静岡県の学校給食食材の測定について
ご報告をしたいと思います。
2012年10月2日(火)
馬場利子記