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2011/08/03Daily Archives

日弁連が、政府の『原子力情報を発信する市民ツールを監視、指導する事業』は言論統制であるとしてモニタリングの中止を求めました!!

2011年8月2日
馬場利子記

政府が、本年7月、「ツイッター、ブログなどインターネット上に掲載される原子力等に関する不正確な情報又は不適切な情報を常時モニタリングし、適切な情報を発信するように指導する事業の予算を大幅に増やしたと言います。
これに対して、日弁連が次のような声明を発表しました。
・・・・・・・・・・・・日弁連声明の 全文を紹介します・・・・・・・・・・・・・・・・・

  原子力等に関する不正確な情報又は不適切な情報に対する
  常時モニタリングに関する会長声明

政府は、本年7月、「ツイッター、ブログなどインターネット上に掲載される原子力等に関する不正確な情報
又は不適切な情報を常時モニタリングし、それに対して速やかに正確な情報を提供し、又は正確な情報へ導くことで、
原子力発電所の事故等に対する風評被害を防止する」ことを目的とする原子力安全規制情報広聴・広報事業について業者に発注した。

原子力等に関する不正確な情報又は不適切な情報に対する常時モニタリングは、
新聞・テレビを対象に過去3年間行われていたが、今年度は、東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて、
ツイッター、ブログなどを対象に予算を8300万円とこれまでの数倍規模に拡大して行うこととしたものである。

この事業においては、「常時モニタリング」すること、さらには、不正確とされる情報等に対して
「速やかに正確な情報を提供し、又は正確な情報へ導くこと」とされているが、原子力発電や放射性物質の健康被害に関する情報は、
科学的に評価が定まらないところもあり、何が「不正確な情報」であるかの根拠が不明確である。
そのため、これによって、政府が「不正確」と考える情報を一方的に批判することにより、
情報を発信する者に対して萎縮効果を与える結果となり、憲法21条の表現の自由を侵害する恐れが大きい。

そして政府の考える正確な情報に導くことは、政府の発信する情報と異なる情報の流通を制限し、
国民の知る権利を制限することとなり、原子力発電についての世論形成をゆがめるなど、
民主主義社会の根幹を揺るがせる重大な問題であると危惧せざるを得ない。

そもそも、政府による原子力事故に関する情報開示自体が不十分なものであることは、
事故直後に放射性物質拡散予測情報が公開されなかったこと、炉心内の状況について事故直後の原子炉の状態に関する情報が
いまだに明らかにされていないこと、メルトダウンしていることが隠ぺいされ続けたこと、
放射性物質が健康被害をもたらす閾値などについて十分な根拠が示されていないことなどから明白である。

また、九州電力のやらせアンケート事件によって、原発問題については、不正な情報操作さえ行われる事実が明らかになった。
そればかりか、本日の報道によれば、経済産業省原子力安全・保安院が2007年8月に国が開催したプルサーマル発電に関するシンポジウム前に、
地元の住民に賛成の立場で発言してもらう「やらせ質問」を中部電力に要請していたことが判明した。

このような背景の下、市民はより正確な情報を求めようとして、これまでインターネットを利用する機会が少なかった人までもが、
専門家やジャーナリストらがツイッターやブログで発信する情報を得ようとしたり、
有益だと思える情報をツイッターなどで相互に伝えようとしているのである。

むしろ政府が行うべきは、正確な根拠を引用した具体的網羅的な情報の開示であり、
自らが十分な情報を開示しないでおきながら、市民の間における情報流通の制限につながる試みを行うことは、情報統制である。

その上、前述のとおりの情報操作の動きがあることも併せ考えれば、問題の深刻さを示している。

当連合会は、政府に対し、直ちに本件モニタリングを中止することを求めるものである。

                             2011年(平成23年)7月29日
                                      日本弁護士連合会 会長 宇都宮 健児

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

市民が伝えたい情報を発信し、得たい情報を得るのは当然の権利です。
何を風評被害と言い、何が正確な情報なのか、政府がそれを決めるという事を、私たちはもう、信頼することは出来ません。
当然、マスコミがその評価をする権利もありません。
情報を得る市民1人1人が現実を認識し、情報操作をしている者があるとすれば、それを見抜く知恵を持つ市民でありたいと思います。

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日弁連が、政府の『原子力情報を発信する市民ツールを監視、指導する事業』は言論統制であるとしてモニタリングの中止を求めました!!静岡放射能汚染測定室