測定室よりのお願いがあります。 お力を貸してください!
今回、電力の宅送料について、『測定室だより』57号に書かせていただきました。
(この記事は、このページの最後に載せました。お読みください。)
今、国(経済産業省)の小委員会では、
新しく電力会社を興した、新電力も利用する託送(大手電力会社の持っている送電設備を使って電力を消費者に届ける)料金に
福島原発事故の賠償金や原発の廃炉費用を上乗せしようとしています。
皆さんも、暮らしの中で節電、省エネを心がけていらっしゃると思います。
そして、原発による電気に頼らず、自然エネルギーで発電された電気を使いたいと望んでおられると思います。
【新電力会社と宅送料の関係】
今年2016年4月に、電力の完全自由化が実現しましたが、自然エネルギーによる発電が広がっても、
発電所から送電する送電線は、今まで電力会社が持っている設備を利用することになりますので、
新電力会社は送電をしてもらう料金(託送料)を電力会社に支払って事業を進めています。
再生可能な電力を選ぶことで脱原発を進めていきたいと願っている私たちとしては、
新電力会社も利用しなければならない託送料金に、
福島原発事故の賠償金やこれからの廃炉費用を上乗せしようとすることは、理屈が通らず、容認できない事だと考えています。
その理由として、
① 託送料金が、国会で議論されず、その時々、経産省の小委員会(東電委員会)で変更できる決め方に強い疑問を持ちました。
(電力料金の様な公共性が高い料金を、私たちが選んだ国会議員が国会で決めるのではなく、少人数の密室で決められるのは
おかしい。)
② 原発の電気料金には、廃炉費用や事故の賠償金も当然、入れなくてはいけないはずです。
(原発の電力が安い!と言い続けるために、原発経費を原発に関係のない新電力の電気量に上乗せするのは、おかしいです)
全国の色々な団体が託送料金について署名活動を始めて下さっています。
私たち測定室でも、何か効果的にできる事がないか考えました。
署名を経済産業省に出しても、担当者が受け取るだけで、
託送料の議論を再度、公にするまでにはならないと思います。
そこで、電力など公共性の高い料金にかかわる決定を、当事者(電力会社)に近い人々で決めてしまう事について、
国会議員の方に意見を伺い、できれば国会で議論してもらえるよう、直接、お願いすることを考えました。
測定室から、全国の国会議員さんに手紙を出すことは、簡単です。
しかし、それでは受け取った国会議員さんも、
自分自身の選挙区の人でなければ、ただ受け取るだけで、捨てられてしまうだけだと思います。
ですが、地元の有権者である地域の人たちから、手渡された手紙ならば、読んでくださると思います。
国会議員さんへの手紙(お願い書)を書いてみました。
ダウンロードは:https://www.dropbox.com/s/l8m7izu1kp3b8vc/
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(地域国会議員名を入れる) 様
要望者氏名
住所
連絡先
経済産業省の小委員会で進められている『電力の託送料金設定』について
委員会で決定するのではなく、国会で検討していただけるようお願いいたします。
日頃より、国政の重責を担っていただき、私たちの代表として国会の審議・運営をありがとうございます。
私たちは、1人1人の暮らしが、将来世代や地球環境に負債を残すことがないように、
節電・省エネを心がけ、地域の中でも願いを共有して活動をしています。
すでにご承知だと思いますが、今、非公開で開催されている『東京電力改革・1F問題委員会』(東電委員会)では、
電力自由化に伴い、新電力会社も利用する電力の託送料金に、福島原発の損害賠償費用や原発の廃炉費用を
上乗せすることを決めようとしています。
仮にそのような料金設定が可能になれば、新電力会社は、自らの発電コストと送電費用だけでなく、
過去の東京電力の原発事故に関わる賠償金や、原発電力会社が負担すべき原発廃炉費用を、
肩代わりをする事になります。
新電力会社が関係がないコストを負担しなければならない理由が、分かりません。
現在でも、電力利用者が支払う電気料金の4割程度は発電コストではなく、送電料ですが、
これは電気を使う消費者が負担するのは当然の経費だと認識しています。
しかし、その託送料は電気を送る事に関わる営業コストから割り出されるべきで、
原発のコストを加えるのは、費用計算がおかしいと思います。
2016年4月にスタートした電力小売り完全自由化は、国のエネルギー政策を見直し、
再生可能なエネルギーを利用した新電力会社や地域電力会社の活動を促進することによって、
環境に配慮した電力供給を可能にしていく政策決定だと、私たちは大いに歓迎し、期待をしています。
ところが、今、経産省の東電委員会で検討されている託送料金の算定方法は、
本来、原発により発電利益を上げてきた原発企業が負担すべき原発コストを、
新しく参加した電力会社(過去の原発経費とは無縁)にも負担を強いるものとなり、
これは、自由で公正な企業競争を保障する社会の仕組みとしても理不尽な考え方だと思います。
もし、「原発事故に関わる費用や廃炉費用は、すでに原発の電気を使ってきた私たち消費者全体が負担すべき料金である」
という国【国会】での議論があり、決定されるのであれば、
新電力の託送料金に転嫁することなく、公平な負担として税金で賄われるべきものだと考えますが、いかがでしょうか?
国や大手電力会社は、「原発の電気は安い」と主張し、電力自由化後も、
『原発をベースロード電源』として推進していく政策を取ろうとしていますが、
企業活動としての発電であれば、原発の電気料金には事故による費用負担や発電後の廃炉費用を加えるべきであると考えます。
自由経済を標榜する日本であれば、託送料金に過去の電力会社が負うべきコストを上乗せするのは、
不公正だと思います。
託送料金が、国会の審議を経ないで、経産省の1小委員会で決められてしまう事は、
私たちが選挙によって付託した代表者を通して国を運営するという約束に反して、密室での決定のように感じられてなりません。
① 託送料金について、国会で議論していただく事は、出来ないでしょうか?
② 託送料金の設定が、公正で自由な企業活動を保障し、
消費者のエネルギー選択の自由を担保した政策であるかどうか、
国民の代表者である皆さんに議論をお願いしたいと思います。
以上の2点について、お考えをお示しいただければ幸いです。
宜しくお願いいたします。
201 年 月 日
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この手紙の内容は、皆さんの思いで、言葉を変えてくださって、構いません。
◆諦めないで一人でもできるアクションとして、
皆さんの選挙区の国会議員さんへ、手紙を手渡し・あるいは郵送してくださいませんか?
国会議員は私たちの代表です。意見を伝えるのも有権者の不断の努力(憲法12条)だと思います。
お力を貸してください。年末年始は国会議員さんも地元で過ごされると思います。
地元の議員さんへ手紙を渡していただけましたら、お手数ですが、ご一報ください。
連絡先:Mail : ssokuteisitu@yahoo.co.jp
★お住まいの地域・渡してくださった議員さんのお名前・日にちをお知らせください。
全国でのアクションを【見える化】したいと思います。
どうぞ、よろしくお願いします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・以下、『託送料って、何?』参考資料です・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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以上、年の瀬も迫っている時期ですが、
託送料の議論が来年3月の経済産業省・東電委員会で決まると言われています。
私たちの代表として地域から選ばれた、国会議員の人々へ、どうか、皆さんも働きかけていただけるよう、
諦めず、アクションをお願いいたします。
2016年12月25日 (クリスマスのお願いでした)
馬場利子記