環境省から、水質の関する放射能濃度測定3種の結果が出ました。
環境省のHPから全データを見ることが出来ますが
概要をまとめてみました。
報告されたのは
①全国の海水浴場の水の測定結果
②宮城県内の公共用水域の放射性物質測定結果
③茨城県内の公共用水域の放射性物質測定結果
です。
①水浴場の放射性物質に係る水質調査の結果について
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=15558
調査実施数 ;33の都道府県において、526ヶ所の水浴場等で実施。
調査日 ; 4月上旬~7月上旬
結果概要 ; 526か所すべて検出限界以下
<参考・基準値> 水浴場の放射性物質に係る水質の目安
放射性セシウム134および放射性セシウム137の合計:10Bq/L以下
②宮城県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの
測定結果について(4月-6月採取分)
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=15559
調査実施数 ; 宮城県内の公共用水域における環境基準点等59地点
(河川:43地点、湖沼:16地点)
結果概要
(1)水質 (検出下限値: 1 Bq/L)
(河川) セシウム134:不検出 ~ 3 Bq/L
セシウム137:不検出 ~ 4 Bq/L
(湖沼・水源地)
セシウム134、セシウム137:全地点において不検出
<参考・基準値>
食品衛生法に基づく食品、添加物等の規格基準(飲料水)
(平成24 年3月15 日厚生労働省告示第130 号)
放射性セシウム(Cs-134、Cs-137 合計):10Bq/kg
水道水中の放射性物質に係る目標値(水道施設の管理目標値)
(平成24 年3月5日付け健水発0305 第1号厚生労働省健康局水道課長通知)
放射性セシウム(Cs-134、Cs-137 合計):10Bq/kg
(2)底質 (検出下限値: 10 Bq/ kg(乾泥))
(河川) セシウム134:不検出 ~ 1,400 Bq/ kg(乾泥)
セシウム137:不検出 ~ 2,000 Bq/ kg(乾泥)
(湖沼・水源地)
セシウム134:不検出 ~ 1,200 Bq/ kg(乾泥)
セシウム137:12 ~ 1,800 Bq/ kg(乾泥)
(3)周辺環境 (検出下限値:10 Bq/ kg(乾))
(河川) セシウム134:15 ~ 2,300 Bq/ kg(乾)
セシウム137:27 ~ 3,400 Bq/ kg(乾)
空間線量: 0.05 ~ 0.42μSv/h
(湖沼・水源地)
セシウム134:53 ~ 1,700 Bq/ kg(乾)
セシウム137:94 ~ 2,700 Bq/ kg(乾)
③茨城県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの
測定結果について(5月-7月採取分
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=15560
(1) 調査地点 ; 茨城県内の公共用水域における環境基準点等70地点
(河川:53地点、湖沼・水源地:12地点、沿岸:5地点)
(2) 調査内容
・水質及び底質の放射性物質濃度の測定
・水質及び底質採取地点近傍の周辺環境(河川敷等)の
土壌の放射性物質の濃度及び空間線量率の測定
結果概要
(1)水質 (検出下限値: 1 Bq/L)
セシウム134、セシウム137:全地点において不検出
(2)底質 (検出下限値: 10 Bq/ kg(乾泥))
(河川) セシウム134:不検出 ~ 1,900 Bq/ kg(乾泥)
セシウム137:不検出 ~ 2,900 Bq/ kg(乾泥)
(湖沼・水源地)
セシウム134:41 ~ 420 Bq/ kg(乾泥)
セシウム137:63 ~ 670 Bq/ kg(乾泥)
(沿岸) セシウム134:不検出 ~ 25 Bq/ kg(乾泥)
セシウム137:不検出 ~ 39 Bq/ kg(乾泥)
(3)周辺環境 (検出下限値:10 Bq/ kg(乾))
(河川) セシウム134:22 ~ 1,400 Bq/ kg(乾)
セシウム137:38 ~ 2,100 Bq/ kg(乾)
空間線量: 0.06~0.39μSv/h
(湖沼・水源地)
セシウム134:29 ~ 300 Bq/ kg(乾)
セシウム137:42 ~ 430 Bq/ kg(乾)
空間線量: 0.08~0.14μSv/h
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以上が環境省公表のデータです。
<結果からの考察>
1,調査された海水浴場では海水は全て不検出で現時点で海水浴を控える必要はないようです。
2.宮城県では
・水質調査は不検出
・河川、湖沼・水源地の底では
不検出~セシウム134.137合算で5700Bq/kgと非常に高い汚染が見られる地点があります。
・また、空間線量も 0.05 ~ 0.42μSv/h とまだ、高い汚染も見られます。
3.茨城県も同様に、
・水質調査は不検出
・河川、湖沼・水源地の底では
不検出~セシウム134.137合算で4800Bq/kgと高い汚染が見られる地点があります。
・また、空間線量も空間線量: 0.06~0.39μSv/h とまだ、比較的高い値が見られます。
4.水源地の底地で水の汚染が見られることから、両市に住んでいらっしゃる方は、
水源地の水利用に関して、取水口の位置の確認や、
市が水質検査を行う頻度を問い合わせるなど、測定情報を知り、
放射性物質の移動を観察する必要があると思います。
5.環境省に問い合わせましたところ、
「現在のところ、静岡県で調査する予定はない」との事でした。
静岡県も国指定の汚染地域ですから、
市町独自で調査を行っているのかどうか、皆さんも確認をお願いします。
他県、静岡県内の水源地放射性物質濃度調査の結果が分かりましたら、
測定室にもご一報ください。
HP上で、環境の汚染状況を共有したいと思います。
宜しくお願いします。
2012年8月15日
馬場利子記