健やかないのちとくらしを未来へ・・・ 

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9月18日(木)第31回“放射能を話そう♪を開きます!

◎ 第31回 放射能を話そう♪ は

日 時  : 9月18日(木)13:30~15:00
場 所  : 静岡放射能汚染測定室(プラムフィールド内)
参加費 :会員 300円・一般 500円(お茶付き+測定室だより進呈)
 

今回は、測定室からの報告もします。
報告は、8月に実施した
測定室アドバイザー河野益近さんの子どもの尿の測定による内部被曝調査の
結果が出ましたので、
放射線量の高い地域に住む子どもたちの尿の測定結果について、お話します。

この夏の試験的測定から今後、どの様な測定プログラムを実施していくか、
皆さんのご意見も聞かせて下さい。

◆その他、いつものように、参加して下さった方同士、フリートークも
心を解き放つ時間になれば、嬉しいです。

お時間のある方の参加をお持ちしています。

2014年9月7日
馬場利子記

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9月18日(木)第31回“放射能を話そう♪を開きます!静岡放射能汚染測定室

『平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう』 なかにし礼 作

なかにし礼さんが、集団的自衛権の閣議決定がなされた事に対して、
書かれた詩を、ここに掲載させていただきます。


 (写真は矢頭智剛撮影)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なかにし礼 作
『平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう』
                  
二〇一四年七月一日火曜日
集団的自衛権が閣議決定された

この日 日本の誇るべき
たった一つの宝物
平和憲法は粉砕された
つまり君たち若者もまた
圧殺されたのである

こんな憲法違反にたいして
最高裁はなんの文句も言わない

かくして君たちの日本は
その長い歴史の中の
どんな時代よりも禍々(まがまが)しい
暗黒時代へともどっていく
そしてまたあの
醜悪と愚劣 残酷と恐怖の
戦争が始まるだろう

ああ、若き友たちよ!
巨大な歯車がひとたびぐらっと
回りはじめたら最後
君もその中に巻き込まれる
いやがおうでも巻き込まれる

しかし君に戦う理由などあるのか
国のため? 大義のため?
そんなもののために
君は銃で人を狙えるのか
君は銃剣で人を刺せるのか
君は人々の上に爆弾を落とせるのか

若き友たちよ!
君は戦場に行ってはならない
なぜなら君は戦争にむいてないからだ

世界史上類例のない
六十九年間も平和がつづいた
理想の国に生まれたんだもの
平和しか知らないんだ
平和の申し子なんだ
平和こそが君の故郷であり
生活であり存在理由なんだ

平和ぼけ? なんとでも言わしておけ
戦争なんか真っ平ごめんだ
人殺しどころか喧嘩(けんか)もしたくない
たとえ国家といえども
俺の人生にかまわないでくれ
俺は臆病なんだ
俺は弱虫なんだ
卑怯者(ひきょうもの)? そうかもしれない
しかし俺は平和が好きなんだ
それのどこが悪い?
弱くあることも
勇気のいることなんだぜ
そう言って胸をはれば
なにか清々(すがすが)しい風が吹くじゃないか

怖(おそ)れるものはなにもない
愛する平和の申し子たちよ
この世に生まれ出た時
君は命の歓喜の産声をあげた
君の命よりも大切なものはない
生き抜かなければならない
死んではならない
が 殺してもいけない

だから今こそ!
もっともか弱きものとして
産声をあげる赤児のように
泣きながら抵抗を始めよう
泣きながら抵抗をしつづけるのだ
泣くことを一生やめてはならない
平和のために!

==============
 ■人物略歴 ◇なかにし・れい
 1938年中国・牡丹江市生まれ。「石狩挽歌」「北酒場」など数々のヒット曲を作詞。小説では98年「兄弟」、99年「長崎ぶらぶら節」(直木賞)、2001年「赤い月」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私は思い出します。
2011.3.11以後、泣きながら子どもたちに詫びた悲痛な日々を・・
2011.6.11以降、毎夜、毎夜、測定室への道を泣きながら、自転車に乗って走った事を・・
そして今も・・解決できない地球規模の汚染を続けながら、再稼働を許す人たち・・

無念の涙を無駄にはしまい・・

そんな想いが詞に重なって、
私も産声をあげる赤子のように、泣きながら抵抗をしよう!と思いました。

2014年7月17日
馬場利子記

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『平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう』 なかにし礼 作静岡放射能汚染測定室

松井英介先生からのメッセージ(「美味しんぼ」と「脱ひばく」について)

コミック「美味しんぼ」に掲載された放射線被曝と鼻血に関して、
論議は続いているようですが、
当測定室でも、お世話になっている 岐阜環境医学研究所の松井英介先生が、
この「美味しんぼ」に登場して、お話をして下さっているそうです。

「美味しんぼ」の噂をしていた所に、松井和子さん(英介先生のお連れ合い)より、
この件に関して、適切で、医学的な見地で書かれた論説文をお送りいただきました。

少し長い文章ですが、掲載と、公開のご了解を得ましたので、
以下に原文のまま、お伝えいたします。

文章の中には、大阪府で震災瓦礫の焼却処理に関して、
健康影響調査をしている『大阪おかんの会』の報告
も引用されています。

ぜひ、お読みください。

★全文PDFは次の通りです。
2014-05-18「美味しんぼ」と「脱ひばく」完成版(松井英介)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・原文のまま・・・・太字は当方加筆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「美味しんぼ」と「脱ひばく」を合言葉に
                               2014年5月18日
                岐阜環境医学研究所 所長 松井英介
 はじめに
被災者の訴え=自覚症状を無視してはいけません

「美味しんぼ」が、新しい話し合いの渦を産みだしています。
多くの人びとの関心が、双葉町をはじめとする被災現地の人びとの苦難に寄せられています。
この機会に、あらためて3.11事故がもたらした、健康といのちの危機について、
話し合い考え行動することができれば良いと思います。

私は一臨床医ですから、私の日常は、患者さんの訴えを訊くことから始まります。
訴えの多くは、ノドが痛い、目がかゆい、息が苦しい、むねやけがする、脈がとぶなど、
何らかの自覚症状に関することです。
その意味で、自覚症状は、患者さんが苦しめられている実態を示す、とても大切なものです。

今回「美味しんぼ」に登場し、話題になっている鼻血やひどい疲労感も、
これら自覚症状のひとつです。
テレビや新聞に登場する人の中には、そんなものはなかったとか、
“風評被害”を煽るものだとかいう人もいるようですが、
それらの人々は苦しんでいる被災現地の人びとを思いやる心がないのかと疑ってしまいます。
現に苦しんでいる人がいるのに、それらの訴えは仮病だとでもいうのでしょうか。

3.11事故によってふるさとを奪われ、不自由な仮設住宅や借り上げ住宅暮しをしなければならなくなって、
また、見知らぬ地に移り住まざるをえなくなって、すでに3年以上。
全国各地に数万人、岐阜にも300人ほどの方が移り住んでいらっしゃいますが、
多くの場合、家族ばらばらの不自由な暮らしを強いられています。
これら、今まで経験したことがない状況の下で苦しんでいる人びと、
とくに子どもたちに想いを馳せることが、いま最も求められていることではないのか、私は思います。
  
異様な「美味しんぼ」攻撃
今回私は全く偶然に「美味しんぼ」の作者たちと出会ったのですが、
それから1年以上おつきあいしてみて、ある感銘を覚えています。
それは、雁屋哲さんと編集部の方たちが、じつに丹念な取材を重ね作品を仕上げられる、
その姿勢に対してです。
私への取材も、昨年の秋から今年にかけて、随分長い時間がかかりました。
私も忙しい毎日でしたが、私を惹きつけて離さない力が彼らにはありました。
それが、30年もつづいてきた「美味しんぼ」人気の秘密かもしれません。

今回の「美味しんぼ」攻撃の特徴は、東電原発事故の原因をつくった日本政府が乗り出していることです。
菅義偉官房長官、石原伸晃環境大臣、環境省、石破茂自民党幹事長らが舞台に上がり、
テレビメディアにも登場しています。橋下徹大阪市長や佐藤福島県知事らは
“風評被害”などというわけのわからない言葉を使って、
「美味しんぼ」の内容があたかもウソであるかのように印象づける発言をしています。
「美味しんぼ」に描かれていることは事実です。
被災者が実際に経験した自覚症状など具体的事実を元に表現された作品に対する、
権力者のこのような対応は、国家権力主導の異様なメディアコントロールだと言えるのではないでしょうか。

東電と国による言論・表現の自由の圧殺

3.11事故は、多額の税金を使いながら巨利を貪ってきた東電関連原子力産業と
国策として原発を推進してきた日本政府におもな責任があるので、
彼らがまず被害を受けた福島県をはじめとする汚染地域の住民に謝罪し、賠償すべき事柄です。
それが、あろうことか、あたかも住民の健康被害はなかったがごとく言い募り、
住民の立場から福島の過酷な現実を活写した「美味しんぼ」を攻撃するという挙に出ているのです。
彼らの行いは「美味しんぼ」の抹殺と作者の口封じであり、言論と表現の自由の圧殺に道を開くことものだと言えましょう。

3.11事故によって最も甚大な被害をうけ、全町民と役場が避難を余儀なくされた双葉町は、
「差別助長」「風評被害」を謳い文句にした抗議文を「美味しんぼ」の出版社小学館に出しました。
住民のいのちと生活を守るために活動すべき第一線の自治体として、
同町と町民の苦難の現実を、また井戸川克隆前町長と伊澤史朗現町長の今までの努力と実績を、
全国民に知らせる良い機会にすることもできたであろうに、まことに残念の極みです。

双葉町は井戸川克隆前町長の時に、疫学調査を行っており、
町民が訴えた症状は鼻血のみに留まらず、様々な自覚症状が記録されています。

この問題に関して放射線防護の研究者、野口邦和・安斎育郎両氏は、
2014年4月29日付毎日新聞紙上で、「被ばくと関連ない」「心理的ストレスが影響したのでは」と述べています。
お二人は、血小板が減少し、全身の毛細血管から出血するような、
1シーベルト以上の大量急性被曝を、鼻血や全身倦怠感など自覚症状発症の条件だとしています。
 このような考え方は、残念ながら彼らに特異的な事柄ではなく、
広く一般の臨床現場の医師にもある誤った認識です。
その論拠は、後述する「被曝の健康リスクを知り知らせる」の項をご参照ください。

「低線量」放射線内部被曝を理解して患者さんの自覚症状に耳を傾ける

「美味しんぼ」でもご紹介しましたが、私たちの身体の70%以上は水です。
その水の分子をイオン化放射線は切断して、
細胞の中に、水酸基や過酸化水素など毒性の強い物質を生成します。
これらの毒が粘膜や毛細血管の細胞、さらに遺伝子やDNAを傷つけるのです。
この現象をバイスタンダー効果といいますが、
このような放射線がもたらした間接効果の方が、
放射線そのものによる直接効果より、健康影響は大きいことがわかってきています。

遺伝子不安定性の誘導だとかエピ・ジェネティックスといわれる現象も、最近の分子生物学の成果です。
「低線量」放射線内部被曝の健康影響を、私たちは十分理解した上で、
住民の方々の訴えについて考える必要があるのではないでしょうか。
 後で述べるように、アスベストとか有害な化学物質との複合作用も重要です。

様々な自覚症状を訴える被災者の方々が相談にこられたとき、
このような“専門家”や医師の心ない対応が、新たなストレスになることを、
私たちは肝に命じなければならないと、日々、自分に言い聞かせております。
心理的ストレスといわれるものも、元をたどれば、
その原因は3.11東電原発大惨事にあるのですから、
患者さんの自覚症状や訴えを頭ごなしに否定するのではなく、
まず虚心に耳を傾けることから始めるべきではないでしょうか。

3.11事故によって生活環境に放出された放射性物質の処理

 3.11事故によって自然生活環境に放出された放射性物質は、
東電が自らの産業活動の過程で排出したいわば産業廃棄物だと私は考えます。
ですから東電が自らの責任において、処理するのが原則です。
放射性物質はできるだけ拡散させず、1ヶ所に集めて、
言うならば事故を起こした原発の敷地内に集めて管理・処理するべきです。

大量の人工放射線微粒子とガスは、今も出つづけていますが、
これら様々な核種は県境を超えて拡がり、
地形や気象状況によって、福島県だけでなく東北・関東地方などにもホット・スポットを形成しました。
日本政府は、これら人工核種によって汚染された岩手県と宮城県のガレキと呼称される汚染物を、
汚染が少ないからよいとして日本各地の自治体に受け入れさせて、処理してきました。
大阪府もそれら自治体のひとつでした。
前述したように、放射性物質を広く拡散させることは厳に慎むべきことで、
一点に集中して管理・処理するのが原則です。
このような日本政府の放射性核種拡散政策は根本的な誤っています。
しかし政府はそれを強行し、大阪府はその処理を受け入れてしまいました。
このことによって、福島県など高度汚染地域から避難してきた母と子が、
二度目、三度目の避難・移住を強いられる事例がでてきているのです。

「大阪おかんの会」の健康調査と大阪府放射性物質濃度調査の問題点

大阪府のガレキ処理による健康影響について、
熱心に調査を続けてきたお母さんたちがいます(「大阪市ガレキ本焼却における健康異変報告(Vol.5)大阪おかんの会」http://ameblo.jp/osakaokan2012/)。

大阪府が本格焼却を始めた2013年2月以降4月19日までの集計結果は次のようです。
報告人数797名/自覚症状総数1826=2.29(一人あたりの平均発症数)
① 喉の異常・咳・痰…585
② 鼻の異常…鼻水・痛み188+鼻血97=285
③ 眼の痛み・かゆみ…272
④ 頭痛…135
⑤ 皮膚の異常…80 [皮膚の症状:痒み、ピリピリする、発疹、吹き出物(全身)]
⑥ 肺、気管支の異常・息苦しい…86
⑦心臓・動悸・胸痛…71
⑧ 倦怠感…55
⑨ 発熱…53
⑩腹痛・下痢…38
⑪吐き気…31
⑫骨・筋肉、関節…23
⑬耳、めまい、ふらつき…36 [耳の症状:痛み、耳鳴り、聞こえが悪い(喉、鼻にも異常有り)等]
⑭口内炎…15
⑮眠気、ヘルペス、痙攣、その他…61

その他、注目すべきこととして、つぎのようなことが挙げられます。
1.避難してきていた人たちが、避難する前に感じたことや症状が同じと感じた。
2.臭いがひどい、喉が痛くなるなどでしていたマスクに赤い色が付いた。
3.最初は中国からのPM2.5かと思った。
  しかし強い臭いがしたり黄色いような色が着いたものが流れてきて中国からのものでないと思った。

橋下徹大阪市長は、これら「大阪おかんの会」の調査結果を無視し、
大阪府市の住民の健康といのちを軽視した妄言を繰り返しています。
住民のいのちを守る市長としては、失格だと言わざるを得ません。

大阪府は、ガレキ処理に際して調査した放射性物質濃度の測定結果を発表しています。
それによれば2012年10月31日に採取された災害廃棄物の放射性セシウムの濃度がキログラムあたり8ベクレル
また、2012年11月30日に採取された飛灰の放射性セシウムの濃度は、それぞれキログラムあたり37~38ベクレル。

飛灰の基準値は大阪ではキログラムあたり2000ベクレル
(日本国の基準値は3.11事故後2011年6月3日8000ベクレルとした)ですが、
基準値そのものに、胎児や子どもの基準値を示さないなど重大な問題点があります。

ドイツ放射線防護協会は、
乳児、子ども、青少年に対する1キログラムあたり4ベクレル以上の基準核種セシウム137を含む飲食物を与えないよう推奨」しており、
それに比べると、38ベクレルは10倍近い値。
身体に影響がないとは、断定できません(松井英介著「見えない恐怖―放射線内部被曝―」(2011年)旬報社刊)。

ガレキを汚染した人工放射性核種に関しては、放射性セシウムが測定されているだけです。
後述するように、ストロンチウム90など、全ての人工核種の検査が、放射線による健康影響調査には不可欠です。
加えて私たちが見落としてはならない大切なことは、
それら人工放射性核種とアスベストや有害な化学物質との複合汚染による健康影響があるということです。

「低線量」内部被曝の健康リスクを知り知らせる

3.11事故現場から生活環境に放出された人工放射核種について、
日本政府が発表したデータで、
宮城県南隣、福島県相馬市でセシウム137(137Cs)の1/10のストロンチウム90(90Sr)を検出されています。
 
 しかし、土や食品に含まれる放射性セシウム以外の核種についての検査はほとんどなされておらず、
ストロンチウム90(90Sr)をふくむ全ての人工放射性核種の検査が健康影響評価には不可欠です。
呼吸や飲食で体内に入ったストロンチウム90(90Sr)は、カルシウムとよく似た動きをするため、
骨や歯や骨髄に沈着し、セシウム137(137Cs)の何百倍も長い時間、
すなわち数年~数十年間排出されず、骨髄中の血球幹細胞を障害しつづけます。
その結果胎児の発達が障害され、白血病など血液疾患発症の原因となります。

私たちの細胞60兆個の元はたった一個の細胞=受精卵。
約10ヶ月で脳眼鼻耳手足心肝などの細胞に分化します。
胎児は放射線感受性が高いことを学校で教えるべきです。
人工放射性物質はゼロ!放射性汚染物の処理は東電事故現場一点集中が原則です
私たちは、記録を将来にわたって継続するため、最近「健康ノート」を発刊しました。

低線量放射線被曝の健康影響は、まだ不明な点が多いなどと言う研究者もいますが、
そんなことはありません。
低線量放射線の、とくに内部被曝による健康障害に関する多くの調査研究結果が
すでに集積されています。
低線量被曝による身体への影響は、
2009年に発表されたニューヨーク科学アカデミーの論文集にも、
チェルノブイリ事故後の多くの実例が紹介されています。
また、通常運転中の原発から5km圏内に住む5歳以下の子どもたちに
2倍以上白血病が多発しているという、ドイツで行われた疫学調査結果も重要です。

今後日本で放射線による健康影響を調査して記録していく上で不可欠の条件は、
まず、生活環境に出た全ての人工放射性核種を調べ、
それら核種の放射線量をベクレルで表示することです。
そして、それらデータと自覚症状を含む病状、
そしてさまざまな検査結果との関係を記録し解析することが必要です。
また、年間100ミリシーベルト閾値に関しては、
「全固形がんについて閾値は認められない」とした放射線影響研究所の
2012年疫学調査結果報告「原爆被爆者の死亡率に関する研究第14報 1950-2003年:がんおよびがん以外の疾患の概要」に注目すべきです。

おわりに
「脱ひばく」を合言葉に、チェルノブイリ法、国連人権理事会特別報告者報告と勧告、IPPNW声明を、子どもたち=次世代に伝えましょう

1991年成立したチェルノブイリ法の基本目標はつぎのようなものです。
すなわち,最も影響をうけやすい人びと、
つまり1986年に生まれた子どもたちに対するチェルノブイリ事故による被曝量を、
どのような環境のもとでも年間1ミリシーベルト以下に、
言い換えれば一生の被曝量を70ミリシーベルト以下に抑える、というものです。

 2013年5月に公表された国連人権理事会特別報告者報告と勧告、
そしてそのすぐ後に出された核戦争防止国際医師会議(IPPNW)の声明は、
日本政府の提唱する年間20ミリシーベルトは容認できないとし、
被曝線量を最小化するためには、年間1ミリシーベルト以上の地域からの移住以外に代替案はないとしました。

3.11以降想像を絶する苦難を押し付けられた双葉町をはじめとする被災現地の人びとの現状を知り、
人びとが家族や地域の人間関係をこわすことなく、
汚染の少ない地域にまとまって移り住み、働き、学ぶ条件を整えることが、求められています。

「脱ひばく」すなわち「子どもたち=次世代にこれ以上の被曝をさせない!」
を合言葉に、「美味しんぼ」に関心を寄せる良心の若者を総結集し、活動の輪を大きく拡げましょう。

             補足:著者に原文のままの公開を了承いただき、お伝えしています。
             「静岡放射能汚染測定室」mail: ssokuteisitu @yahoo.co.jp

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

読んで下さり、ありがとうございました。

私たちも、内部被曝を減らすために、
今後も、被災者支援法の見直しを求めていく事も含めて、
歩みたいと思っています。

2014年5月20日
馬場利子記

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松井英介先生からのメッセージ(「美味しんぼ」と「脱ひばく」について)静岡放射能汚染測定室

放射能による健康への影響・鼻血論争について

コミックに掲載された福島を訪れた人が、鼻血を出した描写について、
各方面から【事実誤認】という批判の論調が出ているようですが、
東京から静岡に避難してきた方のお話でも、
「避難を決心したきっかけは、事故後、子どもの鼻血が続いたこと」
と言われていて、私たちの見聞きした事だけでも、
放射能被曝と鼻血は、無縁ではないと認識していましたので、
騒動が不思議な気もします。

とはいえ、放射能の影響と鼻血に関して
当測定室でも、ご紹介してきた
 北海道がんセンター 名誉院長  西尾正道さんの見解が、
飯田哲也さんのメール文章に紹介されていますので、
全文引用で、ご紹介したいと思います。

真に科学的に考察された意見は、
専門的な知識を持たない私たちであっても、
胸にストンと腑に落ち、冷静に考える勇気を持ち続ける事が出来ます。

・・・・・・・・・・以下引用文転記です・・・・・・・・・・・・・・・・・・

飯田 哲也
【鼻血問題に関する西尾正道北海道がんセンター名誉院長の見解】
西尾先生ご本人の了解を得て、西尾先生の見解を全文を掲載いたします。
飯田も原子力を学んだ大学で「ICRP洗脳」されていましたが、ICRP洗脳が
抜けた今は、西尾先生の見解に納得できます。
要旨は、以下のとおりです(括弧内は飯田の補足)。
・事故後は鼻血を出す子どもが多かったことは事実
 (だから、御用学者はその時は沈黙を守っていた)
・ICRP(の急性被ばく)の論理では説明できない
 (だから、ヒステリックに否定する御用学者、守旧メディアが多い)
・放射性のチリによる準内部被ばくで鼻血などの影響は十分にあり得る
 (報道ステーションや朝日社説は「内部被ばく」と「低線量被ばく」を取り違えている)
・非科学的なICRP信奉者は、自分たちの都合のよい内容だけを科学的と称する発言

_______________________________________________________
鼻血論争について     2014年5月14日
         北海道がんセンター 名誉院長  西尾正道

巷では、今更になって鼻血論争が始まっている。
事故後は鼻血を出す子どもが多かったので、現実には勝てないので
御用学者は沈黙していたが、急性期の影響がおさまって,
鼻血を出す人が少なくなったことから、
鼻腔を診察したこともない放射線の専門家と称する御用学者達は
政府や行政も巻き込んで、放射線の影響を全否定する発言をしている。

しかし、こうしたまだ解明されていない症状については、
根源的に物事を考えられない頭脳の持ち主達には、ICRPの基準では理解できないのです。
ICRPの論理からいえば、シーベルト単位の被ばくでなければ血液毒性としての血小板
減少が生じないので鼻血は出ないという訳です。

しかしこの場合は、鼻血どころではなく、紫斑も出るし、
消化管出血も脳出血なども起こります。
しかし現実に血小板減少が無くても、事故直後は,
鼻血を出したことがない,多くの子どもが鼻血を経験しました。

伊達市の保原小学校の『保健だより』には、
『1学期間に保健室で気になったことが2つあります。 1つ目は鼻血を出す子が多かったこと。・・・』
と通知されています。
またDAYS JAPANの広河隆一氏は、チェルノブイリでの2万5千人以上のアンケート調査で、
避難民の5人に1人が鼻血を訴えたと報告しています。
こうした厳然たる事実があるのです。

この鼻血については、次のように考えられます。
通常は原子や分子は何らかの物質と電子対として結合し存在しています。
セシウムやヨウ素も例外ではなく、呼吸で吸い込む場合は、塵などと付着して吸い込まれます。
このような状態となれば放射化した微粒子のような状態となり、
湿潤している粘膜に付着して放射線を出すことになります。
そのため一瞬突き抜けるだけの外部被ばくとは異なり、準内部被ばく的な被ばくとなるのです。

微量な放射線量でも極限で考えると、原子の周りの軌道電子を叩きだし,
電離を起こします。
この範囲が広範であれば、より影響は強く出ます。
被ばく線量もさることながら、被ばくした面積や体積がもろに人体影響に関与します。

事故後の状態では、放射性浮遊塵による急性影響が真っ先に出ます。
放射性浮遊塵を呼吸で取り込み、鼻腔、咽頭、気管、そして口腔粘膜も含めて
広範囲に被ばくすることになりますから、最も静脈が集まっている脆弱な鼻中隔の前下
端部のキーゼルバッハという部位から、影響を受けやすい子どもが出血することがあっても不思議ではありません。
また咽が痛いという症状もこうした機序によるものです。
この程度の刺激の場合は,粘膜が発赤したりする状態にはならず、
診察しても粘膜の色調変化は認められないが、
粘膜の易刺激性が高まるため、広範な口腔・咽頭粘膜が被ばくした場合は,
軽度の痛みやしみる感じを自覚する訳です。

受けた刺激を無視し、採血や肉眼的な粘膜炎所見などの明らかな異常がなければ、
放射線が原因ではないとして刺激の実態をブラックボックス化するICRPの盲信者は科学者としては失格です。
ICRPの健康被害物語では,現実に起こっている被ばくによる全身倦怠感や体調不良などの
いわゆる「ぶらぶら病」も説明できません。
そのため何の研究や調査もせずに、精神的・心理的な問題として片付けようとする訳です。
今後、生じると思われる多くの非がん性疾患についても否定することでしょう。

鼻血論争は、未解明なものは全て非科学的として退け、
自分たちの都合のよい内容だけを科学的と称する非科学的なICRP信奉者の
発言の始まりでしかないと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2014年5月17日
馬場利子記

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放射能による健康への影響・鼻血論争について静岡放射能汚染測定室

6月14日(土)午後は映画会&トークにお出かけください♪

当測定室は、6月11日で、測定再開3周年を迎えます。

『まず、3年間は測定を続けたい』 と思って始めた測定活動ですが、
会員の皆さんのご協力のお陰で、
2012年11月には浜松分室も開設することができました。

感謝とご報告、そして会員の皆さんとの意見交換の場として、
6月14日の午前(10:30~12:00)に、測定室第3回総会を行います。

そして、
記念企画として、午後1時30分より
映画『みえない雲』の上映とゲストのお話の会を開きます。

この映画をご覧になった方も多いと思いますが、
ドイツを脱原発に導いたと言われるベストセラー小説を映画化されたもので、
日本では、2013年、カタログハウスの『通販生活』春号の付録として、
DVDが読者に配布されました。

私たちはその時、何が出来るか、
また、今、放射能のリスクを最小限にするだけでなく、
何ができるか・・映画を通して見つけたいと思います。

ゲストに、カタログハウスの広報室マネージャー倉林豊さん
お招きしました。
福島原発事故の『その時』のお話も伺えると思います。

 ぜひ、お時間を作ってご参加ください。

辛く、過酷な事としてではなく、私たちは大人として経験から何を学び、
子どもたちにどの様な生き方を提示できるか・・
お茶とピアノのBGMを聞きながら、シェアしたいと思います。

お待ちしています。

2014年5月4日
馬場利子記

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