2011年12月15日
馬場利子記
待ちに待った1冊の本が出版されました。
大阪の医師が中心となって活動している『医療問題研究会』がまとめた
『低線量・内部被曝の危険性―その医学的根拠―』と題する冊子です。
この冊子は、これまでに報告さている放射能汚染の人への影響について、
医学的データを詳細にあつめ、現在、日本で広報されている『低線量被曝は
安全である』という論調を1つ1つ検証、批判しています。
福島原発事故による外部被曝は現在も続いていますが、
国や専門家は、「放射線の低線量被曝は直ちに健康被害をもたらさない」として、
放射線量の高い地域から、人々が非難する事を思いとどまらせています。
特に元長崎放射線医学研究所長 山下俊一氏は
本年9月17日、18日に東京で行われた日本医学会総会でも
「長崎、広島、チェルノブイリでも低線量被曝では医学的な障害は全く認められなかった」
と報告し、日本の放射線医学の専門家として、安全論を繰り返し、
福島原発事故後は、福島医科大学の副学長として、
現地でも安全論を繰り返していますが、この冊子を読む限り、
そのような暴言、空論は将来にわたって子どもたちの健康を害する恐れがあると分かります。
この冊子は一般書店では販売されていませんが、
私は著者の1人である方から頂き、一気に読み切りました。
現わされている内容は、基礎研究で指摘されていた低線量でも影響があるという事を、
実際の事例を持ってわかりやすく、丁寧にデータが示されています。
低線量で起こる白血病や癌だけでなく、その他の障害として、
レントゲン撮影や歯科レントゲンの低線量外部被曝の影響や、
知的発達や精神の障害についても記されています。
そして、最も興味深く読めたのは、被曝をめぐる論点について、
1つ1つ、反証がなされている点でした。
特に自然界のホルミシス効果は間違いであることを、
天然ラドンによる肺がんの増加の例を挙げて、反証しています。
今回、発行元である「医療問題研究会」にお願して、冊子をまとめて分けていただきました。
是非、皆さんもこの画期的な冊子をお読みくださり、
放射能の影響を考慮しない周りの政治家、医学者などに紹介いただきたいと思います。
私も、付箋をつけて、重要な個所にマーカーをつけて
山下俊一氏に寄贈したいと思っています。
子どもたちを無防備に外部被曝にさらさない様、
また、内部被曝を考慮する生活によって子どもたちを守るため、
知識を共有できることを願います。
冊子の定価は 1050円ですが、今回は 1000円+送料(1冊80円)でお送りします。
購読ご希望の方は、プラムフィールドまでお申込みください。
℡&fax 052-209‐2011
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