ご報告が遅くなりましたが、「託送料金変更許可取り消し」を求める裁判の第3回口頭弁論の報告を
グリーンコープでんきのホームページ(https://www.greencoop.or.jp/takuso-ryokin/soshokeikahokoku/)より、
転載し、お伝えします。
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【第3回期日】午前11時~11時30分 (於)福岡地方裁判所101号法廷
~グリーンコープが提訴している「託送料金変更認可取消」を求める裁判の第3回口頭弁論の報告
被告(国)からは2021年6月25日付で第3準備書面が提出されました。
その内容は第2回期日で提出された第2準備書面(本件において原告適格は認められない)を補完するものとなっています。
原告からは、被告の第1準備書面への反論として「準備書面1」を提出しました。
そのあと、原告(グリーンコープでんき)代理人である馬場弁護士が被告の第1準備書面への反論と、第3準備書面に対する反論を3つの要点にまとめ、意見陳述を行いました。
意見陳述は、裁判官や傍聴者にわかりやすいようにパワーポイントを使って意見が述べられました。
その要点として、「電力自由化以降の『原価』の捉え方、とりわけ国は『営業費』の概念を誤って理解していること」
「二つの負担金を託送料金で回収するという経済産業省令は国会の立法に基づいていないこと」など、一つひとつに明快な反論が述べられました。
また、「原告適格」については、「過去の最高裁判例に照らして原告に原告適格が認められる」旨、要点のみ説明しました。
被告の第3準備書面への具体的な反論は、次回行うことにしています。
最後に裁判所から、次回期日までに、原告が被告の「第3準備書面」への反論書面を提出すること、
及び、被告は原告の「準備書面1」への反論と「原告適格」についての補充書面で提出することについて確認がされ、閉廷となりました。
次回期日は、9月13日(月)11時から、と指定されました。
今回から傍聴参加について、グリーンコープのホームページなどで公開して広く呼びかけたところ、
福岡地方裁判所にたくさんの組合員が駆けつけてくれ、コロナ禍で40名ほどに制限されていた傍聴席はほぼ埋め尽くされていました。
こうした風景は託送料金訴訟への関心の高まりを裁判官に伝えるということでも意味があると言えます。
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~法廷終了後、【記者会見・報告集会報告】11時45分~14時 がありました。
閉廷後、弁護士会館301号会議室に移動し、弁護団、傍聴参加者(30余名)、
オンライン参加者(34名)で記者会見と報告集会を行いました。
♦まず弁護団代表の小島弁護士より今回の期日の概要と、
裁判期日における理想の口頭弁論のあり方と現実に行われている口頭弁論のあり方の違いについて話されました。
その後、馬場弁護士から意見陳述で話された内容をさらにかみ砕いて説明がありました。
これで難しい法律用語への理解が深まりました。
【注】馬場弁護士による意念陳述の内容の解説は、以下の録画11分40秒~28分でご覧いただけます。
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今回の裁判でも被告(国)は、
「託送料金に2つの費用(「原発賠償負担金」と「廃炉円滑化負担金」)を加えて託送料金費用として徴収して良いことは、
審議会で決められたのだから、何を原価に加えても良い」と主張しましたが、
原告弁護団は、
「電力が完全自由化となり、発電部門と託送部門が分離され、一般送配電事業者は、送配電に必要な物しか経費に含めてはならなくなっている。
この費用の上乗せの決定は、国の審議会で了解されたからと言って、参考意見を聞くための審議会で国民の負担を強いる決定をするべきではなく、
国会審議を経ない決定は無効である」
と反論しました。
次回期日、第4回 9月13日(月)11時~の審議がどの様に進むのか、おおいに期待できると感じました。
ご報告を続けていきますので、応援をよろしくお願いします。
2021年8月15日
馬場利子記