長い夏休みを終え、測定室の活動は8月21日(火)より通常に戻りました。
スタッフのリフレッシュ休暇に、ご協力、ありがとうございました。
夏休み最後の8月20日(月)、
国が海洋に流そうとしている福島原発の汚染水について、
新聞各社が、放射性物質の濃度が基準値を超えていたことを報じました!
◆朝日新聞デジタル版:2018年8月20日付け
https://digital.asahi.com/articles/ASL8N4CR7L8NUGTB004.html?rm=350 より転記します。
東京電力は20日、福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ低濃度の汚染水について、
保管する大型タンクに入れる前の放射性物質の検査で、トリチウム以外に、ストロンチウム90、
ヨウ素129が国の基準値を超えていたことを明らかにした。
東電はこれまで「トリチウム以外の放射性物質は除去されている」として、十分な説明をしていなかった。
構内で発生した汚染水は、セシウムを吸着する装置と、62核種を除去する装置「アルプス」を通り、
取り除けないトリチウムを含む汚染水がタンクに保管されていると説明されていた。
だが、「アルプス」の出口で汚染水を定期的に調べている分析検査で、
トリチウム(半減期12年)のほか、ストロンチウム90(同29年)と
ヨウ素129(同1570万年)が国の基準値を上回っていた。
最大値はトリチウムは1リットルあたり138万ベクレル(基準値の約23倍)、
ストロンチウム90は141ベクレル(同約5倍)、ヨウ素129は62ベクレル(同約7倍)だった。
東電は「吸着するフィルターの性能が落ちていたことも考えられる」としている。
数値はホームページで公表しており、
国が定める敷地境界の放射線量(年間1ミリシーベルト)も超えておらず、
「保管上は問題はない」としているが、「今後はわかりやすくお知らせしていきたい」とコメントした。
現在、タンクには約109万トンの汚染水がためられている。
処理を巡っては、海洋や大気での放出といった方法が国で議論されている。
東電によると、仮に放出となれば、事前に検査が行われる。
放射性物質が検出されれば、アルプスに再び送って除去できるという。
東電は「現在の汚染水がそのまま放出されるわけではなく、今回のこととは別問題」としている。
(石塚広志)
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◆この件に関して、
『原子力規制を監視する市民の会/福島老朽原発を考える会』の阪上 武氏は、
HP上(http://kiseikanshi.main.jp/2018/08/22/1312/)で、このように補足しています。
~~~~~~~HPより抜粋~~~~~~~~~
トリチウム汚染水については、エネ庁が汚染水処理対策委員会とその下の小委員会で検討し、
海洋放出の方向で調整しようとしており、8月30日と31日には、説明・意見聴取会を予定しています。
規制委員会の更田委員長も一貫して海洋放出を主張しています。
汚染水処理対策委員会や小委員会の議論は、トリチウム汚染水の取り扱いについて、
トリチウム以外の各種はALPSで除去されることが前提となっており、
ヨウ素129などの件については、議論の対象になっていません。
説明・意見聴取会の資料にもありません。一体エネ庁はこの状況を把握していたのでしょうか。
規制委員会はどうでしょうか。
いずれにしろ、トリチウム汚染水の取り扱いについては、説明・意見聴取会の開催の前提も崩れた状況だと思います。
ヨウ素129の危険性については以下が参考になります(美浜の会)
http://www.jca.apc.org/mihama/reprocess/rokkasho_series7.pdf
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◆改めて、ヨウ素129の危険性について、読んでみると、
福島原発の汚染水だけでなく、六ヶ所の再処理工場の排水への心配が蘇ります。
処理できない汚染を、『基準値以下なら海に流しても良い』と誰が決めたのか・・
暗澹とする夏休み明けです。
処理できない汚染を出す施設・技術を使い続ける事を、再考しないまま、
汚染をなかったことにするのは、政策とは言えない!!と政治の無策が無念です。
元に戻せない破壊や汚染を決してしない・・・。
私たちの願いを、しっかりと持ち続けることの大切さを痛感します!!
2018年8月24日
馬場利子記