□第7回 静岡放射能汚染測定室総会 記念学習会報告
報告者:スタッフ:宮本万倫子
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演題:内部被ばくに関連する福島由来の放射性微粒子について
放射能による健康被害には、外部被ばく(空間線量)だけではなく、
食べ物などと一緒に体内に取り込まれる放射性物質によっておこる内部被ばくもあります。
内部被ばくについては、多くの情報があり、私たちも食べ物の測定などを通して、被ばくの軽減に努めています。
ところが、体内に取り込まれる極小微粒子の存在が明らかになり、
原発裁判でもそのリスクを指摘されるようになりました。
当測定室アドバイザーである河野さんは、その放射性微粒子の調査と測定に取り組まれています。
福島原発事故の現状についてお話を伺いました。
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会場:静岡放射能測定室 時間:13:30~16:00
参加者:24名(会員15人、一般3人、スタッフ6人) 進行:スタッフ/榛葉真理子
近年、不溶性放射性微粒子の存在がわかってきました。
これは東京電力福島第一原発事故の際に、溶け出した核燃料から放射性セシウムが放出され、
建屋内の断熱材に吸着され、断熱材が溶けてガラス状になる時、セシウムが取り込まれ、
爆風によって飛び散る時、小さな粒子になって遠くまで飛散したということです。
水溶性だと思っていたCs137。体内に入っても、体液でうすまり、排出されると思っていましたが、
不溶性では体液にも溶けず、肺に入った場合は長く留まり、その影響はまだわかっていませんが、
確率論的には必ず誰かに影響が現れるとのことです。
午前に行われた総会時の意見交換の際に、復興庁が作成した小学生向けのポスターの紹介がありましたが、
その内容と午後の勉強会の内容の違いに戸惑いを覚えました。
◆金子みすゞの「星とたんぽぽ」の詩を思い出しました。
見えぬけれども あるんだよ、
見えぬものでも あるんだよ。
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♠学習会レジュメ
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❤参加者の感想❤
学習会 感想 報告者: Toshiko・K 静岡市在住
「プラムフィールド」の活動と「放射能汚染測定室」の存在は知っていましたが、
どこで、どんな活動をされているか具体的には知りませんでした。
浜岡原発再稼働反対の活動にも参加していますが、セシウム?ウラン?ストロンチウム?
そして数値についてもmSV?、測定下限値以上か以下か?など知らないまま、
むしろ理解は無理であろうと思っていました。
しかしFBで「静岡放射線汚染測定室7周年記念学習会」が開催されることを知り、
飛び入りで参加させてもらいました。
講師の河野先生が最初におっしゃった「今日覚えて帰ること」として、
「セシウムボールとはどんなものなのか」だけは理解しようと思いました。
会場は生活感あふれ環境にやさしい商品が並ぶ中で、みなさんが肩寄せ合い、
真剣に学習会に臨んでいました。
参加のみなさんは様々な条例や数値もよくご存じで、講師のお話の後は時間オーバーしながらも真剣な質問が続きました。
見えないもの、確定できにくいもの、すぐに表面化しないものに対してもっと真剣に知ることと、
もっと分かり易く拡げないと私たちの健康も、幸福な当たり前の生活も、保障されない事だけは改めて理解できました。
2011・3・11以降、福島、東日本のみならず、日本全土、そして海流に乗って世界を汚染し続ける現実を思うと、
日本は何をやっているんだ!と怒りがわきますが、ともかく少しでも市民の力で変えていかなければいけません。
具体的には「チェルノブイリ法日本版」を市民の手で!と会が発足しています。
チェルノブイリと福島では原発事故後、被ばくからの命・健康を守る保障に大きな違いがあります。
この違いは国内外に日本の現状がいかに人権侵害であるかが明らかであり、
市民に広く理解してもらえるのではないでしょうか。
微力ながら協力していきたいと思います。
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♦測定室からのまとめ♦
■測定室を再開して7年経った総会・記念学習会に参加して下さった方々は、
放射能そのものを案じたり、不安を感じて参加して下さるのではなく、
福島の子どもたちを守りたいという想いや、国の福島復興対策へのやるせない思いを感じて、
測定を続ける私たちスタッフを見守ってくださる気持ちで来てくださったことを、ひしひしと感じました。
原発震災からまだ7年。
国の放射能から未来を守る政策は、ほとんど不完全で、現実を理解しようとせず、
起こっていることを観ようとしない事は明らかになってきました。
であれば、私たちは何ができるのか・・速攻的な行動は思いつきませんが、
①忘れない
②諦めない
③困難な状況にある人たちへの共感と支援の想いを小さな言葉にする
④放射能公害を防止する活動や子ども支援活動をしてくださっている人たちと想いを繋げていく・・
こうしたことを継続していきたいと改めて思っています。
2018年度も、放射能と共に暮らす方法を見つける活動をどうぞ、よろしくお願いします。
2018年6月18日記