放射能による被ばくは、原爆や核実験や原子力発電所の事故だけでなく、
核資源を採掘する現地でも、多くの働く人が被ばくし、
地域の人々も被害を受けています。
そうしたウラン採掘は、アメリカでもオーストラリアでも先住民の暮らす地域であることが多く、
その現状を知ることは、
核を利用した産業が、いかに非人道的であるかをはっきりと理解することができます。
今回、米国ニューメキシコ州ラグナ・プエブロ先住民弁護士のジューン・ロレンゾさんが北海道大学で行われる会議(http://cemipos.blogspot.jp/)
に参加されるにあたり、東京でも報告会を開催されることになり、その案内を頂きました。
会場は東京ですが、お近くの方、ぜひ、参加してみて下さい。
終了後懇親会も開かれる予定です。
【講演会詳細】・・・・・・・・・・・・・・
タイトル:「米国先住民コミュニティへのウラン開発の影響―被曝と補償、終わらない除染」
日時:12月7日(木)18:30~20:30
場所:東京スポーツ文化館、研修ルームC
参加費:1000円 通訳有
主催:グローバルヒバクシャ研究会
協力:公益財団法人第五福竜丸平和協会
連絡先:玉山090-7098-1595 メール:noritama_noen@yahoo.co.jp
報告者:ジューン・ロレンゾさん June L. Lorenzo
プロフィール:
1960年生まれ、米国ニューメキシコ州ラグナ・プエブロ先住民保留地内ポワティ村在住。
弁護士。1953-82年まで操業していた当時世界最大の露天掘り鉱山であるジャックパイルウラン鉱山
(現在は、連邦政府より汚染が酷い場所としてスーパーファンドサイト、NPLに認定:https://goo.gl/r44qjX )の近くに住む。
子どもの頃同鉱山で働いていた父親がお弁当箱にウラン原石を入れて持って帰り、家族に見せていたという思い出を持つ。
いかにウランの危険性が当時知られていなかったか、その被害が労働者だけでなく家族にも及んでいたかをかなり後になって知る。
2007年以降、先住民聖地テーラー山のおけるウラン鉱山開発を問題視し、
同山の州政府による文化財認定(2014年確定)運動に関わる。
日本との関わりはこのウラン開発案件の一つに、現エナジー・フューエルス社のロカ・ホンダ鉱山開発計画があり、
住友商事が2007-08年、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の海外ウラン探鉱支援事業から補助金を受け2016年まで出資していた。
3.11後ウラン価格は大幅に下落し、現在も1パウンドあたり20ドルを割るほど低迷しているにもかかわらず、
経産省ならびにJOGMECは平成19年から毎年10億円規模で5ヶ年で終わるはずだった同事業を平成30年度以降も3億円に減額し、
いまだにウラン燃料の安定確保を旗印に継続している。ウランは供給過剰で実際の需要は再稼働も少なくほとんどないにもかかわらずである!
住友商事もJOGMECも補助金支出後の事業総括を全くしないどころか、助成後5年以降は文書も保持せず、
リードタイムの長い長期にわたる開発案件に対し単年度成果主義を貫き、ウラン価格が暴落しているとみるや、
現地法人と合弁事業で投資しても多くが失敗し撤退が相次いでいる。
日本国民は知らぬ間にエネルギー対策特別会計から支出された公的資金によるウラン開発の片棒をステークホルダーとして担い、
関わっていることになる。
先住民コミュニティにしてみれば自らの聖地を住友商事という日系企業(外資)により開発されるかもしれないという恐怖に脅かされ、長きに渡り現地闘争が続いているにもかかわらず、当の出資者(日本国民)は、環境ならびに文化の破壊に加担するかもしれないという認識も無ければ、
それに関する情報も一切もたらされては来なかった。
ロレンゾ氏は現在毎年スイスジュネーブへ国連人権委員会先住民作業部会関連の会議に出席。
北大での会議後福島県に視察に行き、当日は、合衆国被曝者補償法等について語る。
●参考サイト:Multicultural Alliance for Safe Environment(MASE):https://swuraniumimpacts.org/
●チラシ:https://yahoo.jp/box/J_1aFC
ご関心のある皆様のご参加を是非どうぞよろしくお願いします。
2017年11月28日記