健やかないのちとくらしを未来へ・・・ 

放射能による健康への影響・鼻血論争について

コミックに掲載された福島を訪れた人が、鼻血を出した描写について、
各方面から【事実誤認】という批判の論調が出ているようですが、
東京から静岡に避難してきた方のお話でも、
「避難を決心したきっかけは、事故後、子どもの鼻血が続いたこと」
と言われていて、私たちの見聞きした事だけでも、
放射能被曝と鼻血は、無縁ではないと認識していましたので、
騒動が不思議な気もします。

とはいえ、放射能の影響と鼻血に関して
当測定室でも、ご紹介してきた
 北海道がんセンター 名誉院長  西尾正道さんの見解が、
飯田哲也さんのメール文章に紹介されていますので、
全文引用で、ご紹介したいと思います。

真に科学的に考察された意見は、
専門的な知識を持たない私たちであっても、
胸にストンと腑に落ち、冷静に考える勇気を持ち続ける事が出来ます。

・・・・・・・・・・以下引用文転記です・・・・・・・・・・・・・・・・・・

飯田 哲也
【鼻血問題に関する西尾正道北海道がんセンター名誉院長の見解】
西尾先生ご本人の了解を得て、西尾先生の見解を全文を掲載いたします。
飯田も原子力を学んだ大学で「ICRP洗脳」されていましたが、ICRP洗脳が
抜けた今は、西尾先生の見解に納得できます。
要旨は、以下のとおりです(括弧内は飯田の補足)。
・事故後は鼻血を出す子どもが多かったことは事実
 (だから、御用学者はその時は沈黙を守っていた)
・ICRP(の急性被ばく)の論理では説明できない
 (だから、ヒステリックに否定する御用学者、守旧メディアが多い)
・放射性のチリによる準内部被ばくで鼻血などの影響は十分にあり得る
 (報道ステーションや朝日社説は「内部被ばく」と「低線量被ばく」を取り違えている)
・非科学的なICRP信奉者は、自分たちの都合のよい内容だけを科学的と称する発言

_______________________________________________________
鼻血論争について     2014年5月14日
         北海道がんセンター 名誉院長  西尾正道

巷では、今更になって鼻血論争が始まっている。
事故後は鼻血を出す子どもが多かったので、現実には勝てないので
御用学者は沈黙していたが、急性期の影響がおさまって,
鼻血を出す人が少なくなったことから、
鼻腔を診察したこともない放射線の専門家と称する御用学者達は
政府や行政も巻き込んで、放射線の影響を全否定する発言をしている。

しかし、こうしたまだ解明されていない症状については、
根源的に物事を考えられない頭脳の持ち主達には、ICRPの基準では理解できないのです。
ICRPの論理からいえば、シーベルト単位の被ばくでなければ血液毒性としての血小板
減少が生じないので鼻血は出ないという訳です。

しかしこの場合は、鼻血どころではなく、紫斑も出るし、
消化管出血も脳出血なども起こります。
しかし現実に血小板減少が無くても、事故直後は,
鼻血を出したことがない,多くの子どもが鼻血を経験しました。

伊達市の保原小学校の『保健だより』には、
『1学期間に保健室で気になったことが2つあります。 1つ目は鼻血を出す子が多かったこと。・・・』
と通知されています。
またDAYS JAPANの広河隆一氏は、チェルノブイリでの2万5千人以上のアンケート調査で、
避難民の5人に1人が鼻血を訴えたと報告しています。
こうした厳然たる事実があるのです。

この鼻血については、次のように考えられます。
通常は原子や分子は何らかの物質と電子対として結合し存在しています。
セシウムやヨウ素も例外ではなく、呼吸で吸い込む場合は、塵などと付着して吸い込まれます。
このような状態となれば放射化した微粒子のような状態となり、
湿潤している粘膜に付着して放射線を出すことになります。
そのため一瞬突き抜けるだけの外部被ばくとは異なり、準内部被ばく的な被ばくとなるのです。

微量な放射線量でも極限で考えると、原子の周りの軌道電子を叩きだし,
電離を起こします。
この範囲が広範であれば、より影響は強く出ます。
被ばく線量もさることながら、被ばくした面積や体積がもろに人体影響に関与します。

事故後の状態では、放射性浮遊塵による急性影響が真っ先に出ます。
放射性浮遊塵を呼吸で取り込み、鼻腔、咽頭、気管、そして口腔粘膜も含めて
広範囲に被ばくすることになりますから、最も静脈が集まっている脆弱な鼻中隔の前下
端部のキーゼルバッハという部位から、影響を受けやすい子どもが出血することがあっても不思議ではありません。
また咽が痛いという症状もこうした機序によるものです。
この程度の刺激の場合は,粘膜が発赤したりする状態にはならず、
診察しても粘膜の色調変化は認められないが、
粘膜の易刺激性が高まるため、広範な口腔・咽頭粘膜が被ばくした場合は,
軽度の痛みやしみる感じを自覚する訳です。

受けた刺激を無視し、採血や肉眼的な粘膜炎所見などの明らかな異常がなければ、
放射線が原因ではないとして刺激の実態をブラックボックス化するICRPの盲信者は科学者としては失格です。
ICRPの健康被害物語では,現実に起こっている被ばくによる全身倦怠感や体調不良などの
いわゆる「ぶらぶら病」も説明できません。
そのため何の研究や調査もせずに、精神的・心理的な問題として片付けようとする訳です。
今後、生じると思われる多くの非がん性疾患についても否定することでしょう。

鼻血論争は、未解明なものは全て非科学的として退け、
自分たちの都合のよい内容だけを科学的と称する非科学的なICRP信奉者の
発言の始まりでしかないと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2014年5月17日
馬場利子記

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放射能による健康への影響・鼻血論争について静岡放射能汚染測定室

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測定室代表 馬場利子

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