皆さんは、環境省が2011年1月より実施している
『子どもの健康と環境に関する全国調査』(エコチル調査)をご存知でしょうか?
私自身のライフワークの主題は『子どもの健康と環境リスク』ですので、
この『エコチル調査』(http://www.env.go.jp/chemi/ceh/)が環境省で実施されるまで、
海外での環境と子どもの健康に関する調査や日本の科学者(医学者や研究者)の
論文などから、環境因子が子どもの健康にどの様な影響を及ぼすか、
情報を収集しながら、『暮らし方』を提案し、市民学習会を続けてきました。
本来、健康に関する事柄は厚生労働省の管轄であるはずですが、
厚生労働省は、病気の原因となる環境リスクを調査し、予防的な政策を実施しようとませんでした。
そんな中で、『環境汚染や食べ物の選択、暮らし方が子どもたちの健康を害している』
様々なデータが臨床の医師や研究者から提示されるようになり、
5年の準備期間を経て、2011年1月に『エコチル調査』は環境省によって、
実施されることのなりました。
私が待ちに待った調査が実現したのです。
この『エコチル調査』は
赤ちゃんがお母さんのお腹にいる時から13歳になるまで
定期的に健康状態を登録の医療機関で確認し、
環境要因が子どもたちの成長・発達にどのような影響を与えるのかを明らかにする調査で、
この調査によって、子どもたちの成長・発達に影響を与える環境要因を明らかにし、
化学物質規制や環境基準(水質、土壌)等の国のリスク管理体制を作ることを目的にしています。
しかし、ようやくこの調査が実施された3か月後に、東北大震災による福島原発事故が起こりました。
子どもの健康と環境リスクの調査項目に、『放射能』は入っていませんでしたから、
もはやこの調査は実質の環境リスクを反映できないのではないか・・・と案じられ、
何度も環境省に問い合わせをし、放射能も調査項目に入れてもらえるよう、
要望を続けました。
やはり、産婦人科・小児科の医師たちの思いも同じで、
昨年7月末、エコチル調査の項目に『放射能』も加えられることになりました。
しかし、福島県での『エコチル調査』の参加登録は、
福島県立医科大学附属病院でしかできませんでしたので、
この調査に参加できる人は少数しかありませんでしたが、
今月から福島県全域に調査機関が広がる事になりました。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=15655
http://www.ecochil-fukushima.jp/aisatsu.html
福島県に生まれてくる子どもたちも、他県の子どもたちと同様に
13歳までの成長を詳細に調査、記録されることにより、
成長に不安があれば全面的に医療機関からサポートを受けられるようになりました。
皆さんの中で、まだ、『エコチル調査』のサポーターになっていらっしゃらない方がありましたら、
是非、環境省『エコチル調査』のHPより、サポーター登録をして、
この調査を見守っていただけますよう、お願いします。
サポーター登録をすると、何か月かに1度、『エコチル調査』の進捗状況や
環境省主催の子どもと健康に関する研究会や講演会等の案内がメールで届きます。
それらには誰でも無料で参加する事ができます。
福島の子どもたちが健康に育つことができるよう、
成長を医療機関が追跡調査し、万全の健康管理をして下さることを、
応援していきたいと思います。
決して、国がこの調査のデータをうやむやにしたり、
改ざんする事が無いように、皆さんが関心を寄せて下さることを切にお願いをします。
今、私はすでに生まれている福島の子どもたちも、しっかりと
健康調査を福島全県の医療機関で受けられるように、
福島県医師会にお願いのお手紙を書いています。
すべての子どもたちが健やかに育つ環境を作ることが私たち大人の願いです。
2012年9月5日
馬場利子記