スイス人医師としてチェルノブイリ被害者支援を続けてきたミシェル・フェルネクスさん(83歳)が
2012年5月13日〜25日の間来日し、子供たちをどう放射能から守るかについて、
チェルノブイリでの長年の経験にもとづいた講演を行いました。
ミシェル・フェルネクスさんは、内部被爆の影響について、
チェルノブイリ原発事故から26年経ったいま、市民の外部被爆は10%に減っているのに対し、
内部被爆は80~90%に上っており、
チェルノブイリ周辺に住む子どもの80%が病気にかかっていると語っています。
2012年5月23日 新宿区角筈区民ホール で開かれた東京講演の講演録は
日本消費者連盟HP(http://nishoren.net/food_safety/radioactivity/2276)で
ご覧になれます。
ミシェル・フェルネクスさんの講演では、
内部被爆を少なくする食べ方を示したバベンコ氏の冊子を紹介し、
以下のような補足を加えています。
①ペクチンが多く含まれている色の濃い野菜や果物、海草を食べることで、
セシウムが体内臓器に吸収されることを防ぎ、
すでに体内にあるウランやプルトニュウムの派生物やセシウムを尿や便によって
排出しやすくする。
②色の濃い野菜や果物に含まれる色素(カロチン)とビタミンAは
放射線が引き起こす損傷を修復する能力を高め、
カロチンには抗酸化作用があるので、放射線への抵抗力を高める。
その他、チェルノブイリでも経験を通して、
放射線量の高い地域からは避難する事の重要性や、
遺伝的影響により発病している現状が分かりやすく伝えれれています。
福島原発事故から1年以上たった今も、
幼稚園や学校では、内部被爆を気にする保護者は神経質な人・・だとする風潮も少なくないと聞きます。
子どもたちを健やかに育む環境を作るためにも、
幼稚園や学校の先生に、押し付けではなく、
フランクにこの講演録を資料として手渡せる関係を作っていくことも
とても大切だと思います。
参考になれば、幸いです。
2012年6月12日
馬場利子記