静岡県では、島田市に続いて裾野市と静岡市が震災瓦礫の受け入れを表明し、
試験焼却を行うことを発表しました。
そのため、島田市に続いて、裾野市と静岡市において、当測定室では会員の協力の下、
松葉による放射能飛散調査を行うため、試験焼却前の松葉の採取を行いました。
裾野市の試験焼却は、すでに5月16日に実施されました。
今後、裾野市で試験焼却後に、焼却前に採取した地点と同じ松の葉を採取し、
放射性セシウムの定量を行います。
同様に静岡市においても、試験焼却が実施される5月23日、24日後に
松葉を採取し、定量を行います。
島田市の試験焼却においても、松葉による放射性セシウムの飛散調査を行い、
殆どの地点で、松葉による定量値が焼却前よりも上がっていましたが、
市担当者は、その点には全く関心を示さず、
「瓦礫や焼却残り灰の空間線量を測定し、変化がなかった。
焼却残り灰が国の安全基準の480㏃/Kgよりも、低いので安全。」
という基準を安全の拠り所として、本焼却を決めました。
しかし、住民や国民の中でも放射能測定に知識を持つ人にとって、
空間の放射線量をガイガーカウンターで測定して、焼却の安全性を評価する事は、
瓦礫の中にある放射性物質のβ線やγ線を測定出来ないごまかしである事は
周知の事で、意味のないパフォーマンスなのは常識です。
科学的でないパフォーマンスによって、『安全』を装う国と地方自治体のお芝居は、
何の意図をもってなされているのか、大きな疑問です。
国や地方自治体の役割は
国民(住民)の健康で文化的な暮らしを守る事にあるはずです。
健康を害する放射能の拡散や、焼却による有害化学物質による再被爆が起こる瓦礫の広域処理は、
国民の健康より、経済効果を優先する政策に他なりません。
放射性物質も、究極の環境ホルモンです。
環境ホルモンは微量でも生命に作用し、子孫に影響を及ぼすという事は
環境省が最も周知している事実です。
その環境省の大臣が瓦礫処理を推進する現状は、理解に苦しみますが、
私たちの松葉による飛散調査を各地で重ねていくと、
国や地方自治体が、どんなに『安全』と言い張っても、
1つの大きな事実を発見できると推測しています。
それが何であるか、皆さんにご報告出来る時を楽しみに
測定と定量を続けたいと思います。
真実は観察し、発見するだけの事ですから、楽しみです。
真実は常にシンプルです。
ご期待ください。
2012年5月21日
馬場利子記