東京都に続いて、全国2番目に瓦礫の受け入れを表明した島田市が、
瓦礫焼却の安全性を確認するために、試験焼却を2月16日、17日と行い、
市民にも無害化処理灰(残り灰)を公開、必要な人には『残り灰』の貸し出しも行っていますので、
当測定室でがれき、残り灰共に測定をしました。
結果は、瓦礫を混入して焼却する前と後では、後の方が明らかに高い放射能を測定しました。
島田市も、焼却灰の測定結果をHPに公開していますので、
試験焼却する前の残り灰と、試験焼却後の残り灰を比較すると、
島田市の測定でも、試験焼却後の方が、放射能が高くなっている事が分かります。
「放射能濃度・空間線量率の調査結果の概要」
http://www.city.shimada.shizuoka.jp/mpsdata/web/7539/20120120_housyanou.pdf
この点を、島田市の環境政策課の担当者に
「試験焼却をして、瓦礫を混ぜた方が残り灰の汚染が高くなったのですから、
本焼却にはならなと思って良いでしょうか?」と聞きますと、
「残り灰は68㏃/kgで、食べ物の基準値(100㏃/kg)よりもはるかに低いので、
安全だということが分かった。市民も自分で測って安全だと分かって良かったと言っています。」
という返事でした。
島田市は、残り灰の汚染値が、
食べ物の基準値よりも低いので瓦礫受け入れは安全だと判断するようです。
しかし、島田市は事前に「試験焼却の残り灰が100㏃/Kg以下ならば、本焼却を行う」とは
言っていませんでした。
では、国の安全基準はどの様になっているのか。
環境省のまとめている瓦礫受け入れの資料が掲載されています。
環境省(Ministry of the Environment) 広域処理情報サイト
◆災害廃棄物の広域処理について◆
http://kouikishori.env.go.jp/
津波被害による災害廃棄物処理、瓦礫受け入れの基準値も
明記していますので、一度、見てください。
市民が安全性を心配し、瓦礫や残り灰の測定をしても、
国は、瓦礫として焼却可能な廃棄物の放射能レベルを 240~480㏃/kg
と初めからとても高い汚染レベルを想定していますので、
行政が「それ以下だから安全です」と言い切る根拠がここにあります。
·災害廃棄物については、環境省の広域処理情報サイトに詳細があります。
「資料一覧」
http://kouikishori.env.go.jp/material/
「津波被害による岩手県・宮城県の災害廃棄物の受け入れについて」
http://www.env.go.jp/jishin/attach/waste_koiki_pamph.pdf
また、「動画資料」でも詳しく『国の瓦礫処理基準』がいかに安全か、
説明をしています。
国は、昨年3.11以前は、『放射性物質として扱う必要のない物』(クリアランスレベル)を
100㏃/kgとしていたのですが、瓦礫処理を進める廃棄物の基準は
突然、240~480㏃/kgならば安全だと変わっています。
この数字は、廃棄物を運搬する人の被曝量やIAEAの数値を引用して
計算されていますが、あまりにも放射能の値が高くて、
市民感覚から遠い安全論であるように思えてなりません。
法律によって、国の事業は行われるわけですから、
災害廃棄物の広域処理推進法が国会で決められると、
各地方自治体も、独自に考える権限は失われ、
法律によって瓦礫処理を国に指示される事になります。
この『災害廃棄物広域処理推進法』は国会で審議される時、
「低線量の放射能も人の健康に有害であるから、放射能の拡散は国民の健康を脅かす」
という異議を申し立てをしてくれる国会議員は居るのでしょうか?
放射能の健康被害を考慮せず、
瓦礫処理を『災害復興』のための経済行為として進めるのは、
放射能は無害であるとしたい人々の選択にしか思えません。
市民1人1人の『不安』『心配』が通用しないところまできてしまいました。
『挙国一致』の美名が好きな日本人・・
何が出来るか、皆さんはどう思われますか?
出来る事・・皆さんのお知恵を貸して下さい。
2012年3月13日 馬場利子記