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『セシウム牛肉が引きおこす人体内部の複合汚染』について

2011年8月1日
馬場利子記

当測定室には、連日、若いお母さんたちから、測定の依頼が多く寄せられています。
幼い子どもをもつ親であれば、子どもたちの健康のために、食品の放射能汚染の状況を知って、内部被曝を少しでも少なくしたいという気持ちがとてもよく分かります。

しかし、健康リスクは放射能だけではありません。
健康リスクに関して、放射能だけではない複合汚染について、週刊フライデー誌8月5日号に、岐阜環境医学研究所の所長で、放射線医学に詳しい医師の松井英介氏のお話が掲載されてますので、記事の抜粋をご紹介します。

放射能の内部被曝について、健康リスクを過小評価をしている国の基準の甘さや、現在の日本の複合汚染について、生活を見直す良いきっかけになると思います。

以下、抜粋・・・・・・・・

(放射能)汚染牛は私たちの身体にどのような影響を及ぼすのか。
内部被曝に詳しい琉球大学の矢ヶ崎克馬名誉教授は次のように警鐘を鳴らす。
「牛肉に限らず、政府は食品に関して『規制値内なので問題ない』と言い続けてきましたが、それが結果的に高濃度の汚染になっていくことにつながったのだと思います。
今回は、1kgあたり4350ベクレルという汚染数値の牛肉も検出されており、これは発癌リスクを考えると非常に高い値と言えます。また、他の産物も含め、たとえ規制値内であっても、売るべきではないし、食べる対象とするべきではない」
さらに、岐阜環境医学研究所の所長で、放射線医学に詳しい医師の松井英介氏は、
がん以外の影響についても言及する。「ヨウ素が甲状腺に濃縮されやすいのとは対照的に、セシウムは全身に運ばれ、発がんの他にも、心臓や循環器系の免疫不全をもたらすことも考えられます」
松井氏は、そもそも、日本の規制値は甘すぎると指摘する。
「例えば、日本における飲料水のセシウム137の規制値は200ベクレルですが、
チェルノブイリ原発事故で放射能に汚染されたウクライナでは2ベクレル。日本の規制値は、100倍も緩いのです。
同様に、ウクライナでは、肉のセシウム137の規制値は200ベクレルですから、日本は2.5倍です。

また、日本は放射線の影響を受けやすい子供と大人の規制値を区別していませんが、これも問題だと思います。
ドイツ放射線防護協会は、福島原発事故直後の3月20日に、放射線リスク最小化のための提言を出しているのですが、それによれば、乳児、子供、青少年に対しては、4ベクレル以上、成人は8ベクレル以上のセシウム137を含む飲食物を摂取しないことを
推奨しているのです」

さらに、松井氏は、次に起こりうる「深刻な事態」についても警告しています。
「複合汚染」についても考えておく必要があるといいます。
「複合汚染とは複数の有害物質が複合して毒性を強めることを言います。
日本で暮らす私たちの身の回りには、ダイオキシンやアスベスト、農薬、添加物、タバコなど発がん性物質や免疫力を低下させる物質が溢れています。
例えば、肺がん発症率は、摂取しない状態に比べて、アスベストは約5倍、タバコは約10倍高めるとされていますが、両方摂取すると約50倍に高まるという疫学調査があります。
そこに、より危険で強力な放射性物質による内部被曝が加わるわけですから、掛け算式で人体への影響をさらに高める危険があるのです。
日本はもはや、世界的に見ても、最も高度に汚染された地域であると言わざるを得ないでしょう」

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『セシウム牛肉が引きおこす人体内部の複合汚染』について静岡放射能汚染測定室

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